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夏の思い出たち 鈴鹿8耐編 part.3

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 鈴鹿サーキット最大のイベントと言えばF1日本GPであることは論を待たないと思われますが、鈴鹿で初めて開催されたのは四輪ではなく二輪のレース。そもそもホンダが最初に作ったのはオートバイでもありますから、むしろ二輪レースこそ鈴鹿本来の姿かもしれません。  四輪、特にトップフォーミュラでは、そのチャレンジングなレイアウトこそドライバーたちから絶大な支持を受けているものの、ことオーバーテイクとなると「抜きどころがない」という評価なのが瑕に疵。  しかし二輪であればコース全域がオーバーテイクポイント。S字だろうとスプーンだろうと、隙があればガンガン抜いていく。目まぐるしく変わるレースの状況は、参加者数の多さもあって、初心者にはなかなか把握しづらいほど。 Team KAGAYAMA / SUZUKI GSX-R1000 Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary 400mm(トリミング有)・ ISO100・F10・1/200  まぁ、耐久レースというのはスプリントレースと違って、疲れたら席から離れて食事したり昼寝したりしながら、のんびり観戦するのが似合うイベントですから、四六時中ずっと把握している必要はあまりないんですけどもね。

夏の思い出たち 鈴鹿8耐編 part.2

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 前回からの続きで、鈴鹿8耐編。  土曜日のレースはつつがなく終わり、翌日日曜もまた炎天下のサーキット。土曜はまだ4時間ですが、日曜はイベント名の通りの8時間耐久。ライダーの技量、マシンの性能をそれぞれ心技体の「技」と「体」とするなら、照りつける太陽が奪っていく体力を補うものが「心」でしょうか。観ている方はまだ水分補給も木陰で休むも自由ですが、ライダーは交代するまでの間は集中し続けないといけませんからことさら大変です。GTレースなら最近はエアコンを搭載したマシンとなりつつありますが、二輪にそんなものなさそうですしね……。  さて、この日の機材はこのみんことCanon EOS 70Dに、メインレンズのSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary。最長600mm(換算960mm)ともなると、観客席のどこからでもサーキット上の被写体を寄せられるので、たいへん便利です。まぁ最短150mm(換算240mm)だと、ヘアピンあたりで窮屈になるので、一長一短と言えなくもないですが……。  でもまぁ、長いことはいいことだ、と言わんばかりに目いっぱい伸ばして撮影です。大きなレースならだいたい2〜3日(場合によってはそれ以上)はイベントをやるので、広角で撮りたければ別の日に撮ればいい。この日はひたすらテレ端を使って撮影。 YamashinaKawasaki&BusinessRalliartKAWASAKI ZX-10R Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary 600mm(トリミング有)・ ISO100・F6.3・1/500  まずは東コースから撮影開始。上の写真は逆バンクコーナーですね。鈴鹿で1-2を争う人気撮影スポット。この日もたくさんのアマチュアカメラマンが集まってました。  今回はあまりシャッタースピードを遅くしない方針で撮っています。四輪と違ってコーナーで車体ごと傾いているから(ハングオンというらしいですね?)、そう流さないでも止まっては見えないだろうと。場所を変えてマシンを横から撮る時でも、せいぜい1/160〜1/100くらいで。そもそも焦点距離が長いので、がんばってスローシャッターにしないでも、そこそこ流れ

夏の思い出たち 鈴鹿8耐編 part.1

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 夏の思い出、次は7月23〜26日に開催された鈴鹿8時間耐久ロードレースです。私は25、26の土日だけの観戦。  鈴鹿の夏は8耐に始まり鈴鹿1000kmで終わる。これが長年続く恒例行事。秋が来れば今度はF1日本GPが待っているわけですが、真夏の耐久レースの熱気はF1にも負けてません。日本モータースポーツの聖地は、8耐を迎えていよいよボルテージが上がります。 聖地のシンボル Canon EOS 70D + EF-S 55-250mm F4-5.6 IS STM  さて、昨年は雷雨の中で開催された鈴鹿8耐でしたが、今年は夏らしい青空に恵まれた……つまりす〜〜〜っごく暑いさなかの、ドライバーも観客も「耐久」なレースになりました。グランドスタンドやパドック以外はせいぜい木陰ぐらいしか日を遮るもののないカンカン照りの下、よく熱射病患者が出ないなぁと感心するほど。筆者も汗だくだくで観戦です。  朝も早くからサーキットに集う現地観戦組に容赦なく降り注ぐ日光。駐車場から歩いてくるだけで汗が滲んでくるような天気の下、少しでもいい観戦場所、撮影場所を確保しようと、みなさん駆け足小走りで進んでいきます。  GPスクエアまで来てみれば、まだ開場から10分程度しか経ってないのに、すでに大勢の観客の姿。「Are You Ready ?!」の横断幕に、その場の全員が「Yeah!!」と返せる状態。 Are You Ready ?! EOS 70D + EF-S 55-250mm F4-5.6 IS STM  それにしても「Are You Ready ?!」って現地実況ピエール北川さんの決め台詞ですが、もうすっかり鈴鹿の(たぶん他のサーキットでも)定番になったんだなぁ……。  ちなみに筆者が初めてピエール北川さんの実況を聞いた際、名前を聞き間違えて「ピエール瀧がなぜ!?」と驚いたという、どうでもいい話があります。

鈴鹿でSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryを使ってみる

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 昨年末に主力機をPENTAX K-5IIsからCanon EOS 70Dに乗り換えたわけですが、その際に資金的な問題で揃えていなかった焦点域が、換算450mm超の超望遠域。APS-Cで250mmまでの望遠しか買っていなくて、普段使いではともかく、そもそもの主眼用途となる鈴鹿サーキットでは長さがかなり足りない。 200mm・ ISO100・F16・1/125 角度調整済み 250mm・ISO125・F5.6・1/640 トリミング済み  いちおう、ヘアピンに張り付いてれば上の写真程度までは寄れるものの、一日中ここにいて同じ構図でばかり撮ってるわけにもいかないですしね。資金が貯まればK-5IIsの時に使っていた400mm(換算600mm)超の望遠を買う予定でいました。ちなみにPENTAX時代に使っていたレンズはSIGMA APO 120-400mm F4.5-5.6 DG OS HSM です。付き合いは短かったものの、写りの良いレンズで重宝したものです。  で、先月の鈴鹿2&4の開催に合わせて購入したのが、前と同じくSIGMA社製の 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary 。CanonのAPS-Cは他社よりセンサーサイズが少し小さいため、換算では1.6倍になる960mmの超望遠(他社だと1.5倍の900mmですね)。これだけあれば、かなり遠いところからでもマシンを寄せられるため、撮影の場所が広がるぞと期待して買いました。  出たばかりのレンズでレビューがほとんどなかったため、購入には若干のギャンブル要素もありましたが、使ってみたところ、期待以上のレンズでたいへん満足です。今回は鈴鹿2&4で撮影してきたものを何枚か作例としてアップしてみます。

続・復活の赤い狼煙

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 AUTO SPORTに「レースの焦点」というタイトルで連載されている今宮雅子氏のコラムですが、今回もマレーシアGPのエントリが執筆されていて、相変わらず胸が熱くなる文章を書いてらっしゃいます。旦那さんである今宮純氏の文章は怜悧で辛口ですが、雅子氏の方は情熱的な語り口。対照的なご夫婦です。観点はどちらも的確ですが、アウトプットすると全然違う。  で、今回のエントリの中でもひときわ「そうなんだよなぁ〜」と頷いたのは以下の箇所。 主導権を握っていたベッテルの勝利は、この時点で確実になった。そのぶん彼が背負った重圧は計り知れない──物理的にはタイヤと作戦で説明されるレースでも、マレーシアGPの勝敗を大きく左右したのは、きっと、ベッテルの“勝ちたい”という強い思いだ。自身にとってもフェラーリにとっても、何があっても逃してはならないチャンスだった。 ( 【レースの焦点】熱くなるほど、強くなる ──今宮雅子 )  セバスチャン・ベッテルというドライバーは勝利に貪欲なドライバーです。時に、はたから見てあからさまなほどの軋轢を、同僚との間に生んでしまうほどに。  でもそんな激しい気性だからこそ、この世界で4度も頂点に上り詰めることができたのだし、切れてしまいそうな勝利へのか細い糸を手繰り続けられたのだと私は思う。  そして、執念とも言える勝ちへの渇望は、昨日今日始まったことではない。チャンピオンになるずっと前からそうだった。

復活の赤い狼煙

「今季、1回でも優勝できれば、私は満足するだろう。2回優勝できれば大満足であり、4回優勝できれば、天国にも上ったような気分になるだろうね」 (「F1速報」第1戦オーストラリアGP号より)  スクーデリア・フェラーリ現代表マウリツィオ・アリバベーネの、開幕前のコメントです。それは彼だけでなく世界中のティフォシの想いでもあったでしょう。最強メルセデスAMGの牙城はあまりに固く、トラブルがなければ、シーズン全戦全勝の完全制覇すら成し遂げられてしまうかもしれない。  長いF1の歴史の中で、コンストラクターズ完全制覇を成し遂げたのは、これまでわずか2チーム。それぞれ1950年のアルファロメオと、1952年のフェラーリで、どちらも60年以上前の話であり、どちらも年間のレース数が10戦に満たない頃の話。そんな記録を、20戦にもならんとする21世紀のF1で再現されるかもしれないという脅威。  それほど昨年からのメルセデスは強く、そのうえ、フェラーリの昨シーズンの成績は思い出したくもないほど散々だった。アリバベーネの「1度でも……」とは、本心からの一言であったはずだし、多くのF1ファンの思うところでもあったはず。  しかし、その記録はシーズン2戦目にして阻止されることになりました。63年前に完全制覇を成し遂げたスクーデリア・フェラーリ、そのイタリアの赤いマシンを駆るドイツ人ドライバー、セバスチャン・ベッテルによって。 「言葉にならない。レースの内容も良かったし、本当にチームに感謝したい。僕にとってもチームにとっても特別な日になった」 ( レスポンス )  レース後のインタビューでのベッテルのコメントです。そう、これは特別な勝利でした。なぜならフェラーリと同じように、彼もまた、昨シーズンは1勝もできない暗黒時代を過ごしていたのですから。

予想通りと予想外と 〜2015F1開幕戦オーストラリアGP決勝〜

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 昨日の予想通り、開幕戦決勝の順位はルイス・ハミルトン、ニコ・ロズベルグ、セバスチャン・ベッテルの表彰台でした。ここまでは充分に想定の範囲内。  ベッテルの表情が良かったです。メルセデスにはまぁちょっと追いつけないとはいえ、おととしまでの風格がちょっと戻ってきた感じですね。がんばれ、フォータイムス・チャンピオン。 今年もこの二人がトップ独走の気配 PENTAX K-5IIs + SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC HSM  Lightroom Crossify プリセット適用  しかし想定の範囲外のことが多く起こったのもまた事実。ひとつには、ダニール・クビアトの欠場。たしかにレッドブルは先行き不安でしたが、まさか開幕戦に二台並べることができないとは……。同じく一台が欠場と相成ったマクラーレン・ホンダについては、まぁそういうこともあるかもしれないと思ってはいましたが、レッドブルについては走るくらいはできるだろうと。  ちゃんとグリッドについたダニエル・リチャルドについては、パフォーマンスこそさして上がらなかったものの、少なくともトロ・ロッソの前でフィニッシュすることはできましたが(トロ・ロッソ勢の二台が共に期待外れに終わったことを差し引いても)、前年度の2番手を抑えていたチームとしてはかなり厳しい出だしと言わざるを得ません。

2015年F1開幕!

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 3月13日、ついに2015年シーズンのF1が開幕しました。ここまで予選を終えて、やはり強さを見せているのはメルセデスAMG。前年度に引き続き、今年も圧倒的なパフォーマンスで他チームに差をつけています。  ですが、それは開幕どころか昨年度からすでに予想されていたことで、さしあたって特筆すべきことではないでしょう。それよりも、今年の注目点は「どのチームがメルセデスに次ぐ2番手につけるのか」という点。ある意味でわびしい話ではあるものの、事実としてメルセデスに今年中に追いつくのは難しい。現実的には、シーズン終盤にかけていかにメルセデスに近づき、そして(今の内からそれを語るのもなんですが)来年度にメルセデスを崩せるか、その準備ができるかどうかが重要になってくるシーズンです。  さて、開幕戦オーストラリアGP、アルバート・パーク・サーキットでの現在の様子からして、2番手に名乗りを上げているチームは2チーム。  まず筆頭はメルセデスエンジンを搭載し、前年度からの好調を維持しているウィリアムズ。フェラーリから移籍して以降元気いっぱいなフェリペ・マッサが予選3番手につけており、今年も良いシーズンを送れそうな気配が伝わってきます。同僚バルテッリ・ボッタスはミスもあり6番手ですが、彼の速さは昨年証明済みなので、大筋では心配ないでしょう。  そしてもう1チームは、前年度で屈辱のシーズンを過ごしたフェラーリです。2列目の前をマッサに抑えられたとはいえ、4番手にセバスチャン・ベッテル、5番手にキミ・ライコネンを並べ、どうやら復活の狼煙が上がることができそうな勢い。特にベッテルは昨年散々なシーズンだったため、跳ね馬復活と同時に彼も上り調子になるのであれば、レッドブルからの遺跡は大正解ということに。今年の台風の目になりそうで、真紅の跳ね馬ファンにとっても楽しみなシーズンです。

スーパーフォーミュラ最終戦写真集 Part.5

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 では 前回 からの続きで、11月のスーパーフォーミュラ最終戦の写真集です。これでラスト。  まずはGAZOO Racing 86/BRZ Race最終戦の一幕。 ホームストレートのサイド・バイ・サイド リア側から かなりの接戦 このくらい差がつけば勝ったも同然 Lightroom Vintage-Grandma’s Lemonade使用 Lightroom Gritty-Heavy使用

スーパーフォーミュラ最終戦写真集 Part.4

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 では 前回 からの続きで、11月のスーパーフォーミュラ最終戦の写真集です。今回はマシンから離れてピットウォークその他。  まずはP.MU/CERUMO・INGINGのレースクイーンのお二方。 P.MU/CERUMO・INGING P.MU/CERUMO・INGING  二人とも名前がわかりません。チームの公式ページにも紹介がないような……。レースクイーンの人じゃないのかも。広報の人かも。いや広報の人にしては美人すぎ? やっぱりレースクイーンの人?

スーパーフォーミュラ最終戦写真集 Part.3

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 では 前回 からの続きで、11月のスーパーフォーミュラ最終戦の写真集です。予選の模様から。  まずは日本人F1ドライバーの草分け中嶋悟率いるNAKAJIMA RACING。チームランキング9位はさぞや悔しいことでしょう。シーズンわずか4ポイントは2012年以来2年ぶりの低水準。その4ポイントを稼いだのが、中嶋家次男・中嶋大佑選手。シーズンチャンピオンに輝いた兄・中嶋一貴選手とは対照的な成績となってしまいました。 NAKAJIMA RACING 中嶋大佑  チームメイトの小暮卓史選手はノーポイントで終了。完走率も悪く、スタートすらできないレースも。信頼性に泣かされました。 NAKAJIMA RACING 小暮卓史

スーパーフォーミュラ最終戦写真集 Part.2

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 では 前々回 からの続きで、11月のスーパーフォーミュラ最終戦の写真集。フリー走行はヘアピンで撮りまくり、予選では激感エリアに移動して流し撮り。初日は雨こそ降りませんでしたが、厚い雲に覆われていてどんより重い雰囲気の走行でした。  チームランキング5番手につけたのは、KONDO RACING。こちらのドライバーエントリーはジェームス・ロシター選手1人だけですが、それでもこのポジションです。ロシター選手はドライバーズランキング6番手。表彰台は初戦だけでしたが、着実にポイントを積み重ねての結果です。 KONDO RACING ジェームス・ロシター

スーパーフォーミュラ最終戦写真集 Part.1

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 前回ブログ、F1アメリカGP後のエントリで、バーニー・エクレストンがようやく小規模チームの救済を念頭に置き始めたかもしれない、というようなことを書きましたが、またぞろ手を返したようで……。 「金」の話題に明け暮れながらシーズン最終戦を迎えるF1 http://www.topnews.jp/2014/11/12/news/f1/119328.html エクレストンは、先週末F1ブラジルGP(第18戦)が開催されたサンパウロにおいて、ロータス、ザウバー、フォース・インディアといった小規模F1チームたちが、それによって力を増し、「戦える状態とするための資金」を手にすることはないだろうと次のように語っていた。 「我々はこうしたチームたちに十分に与えているよ。彼らが望むような形で生き残るには不十分かもしれないが、単に生き残るためには十分だ」 「今後の進め方は非常に簡単だよ。金を使い過ぎなければいいんだ」  おおかた他との交渉がうまく行かなかったんだろうとは思いますが、エクレストンのことだからまともに譲歩案なんか提示しなかったんだろうな、ということは予想できる。  さらに今さら前年度までのV8エンジンに戻すとか戻さないとか、スーパーGP2構想なんていう案が出てるとか出てないとか、どこに行こうとしてるんだF1。来年どうなるんですかね。 バーニーの“スーパーGP2”計画にザウバーら反発 http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=61398  ちなみにスーパーGP2構想って、日本だとスーパーGTのGT500/GT300クラスの混走がそれに当たりますが、スーパーGTの話でも耳にしたんですかねエクレストンは。 2014F1日本GP S字コーナーを抜けるケーターハムCT05 PENTAX K-5IIs + SIGMA APO 120-400mm F4.5-5.6 DG OS HSM

ルーマニアからF1へ

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 マルシャ、およびケーターハムが破産手続きに入ったというニュースはご承知の通り。アメリカGPを欠場し、今後の2戦(ブラジル、アブダビ)も無理でしょう。 当ブログ でも危惧していましたが、やはり最小規模のテールエンダーにとってF1チームの運営はあまりにハードルが高かったようです。 鈴鹿サーキットにて ケーターハムに悩まされた小林可夢偉 でもケーターハムがいなかったら可夢偉もまたこの場所にいなかった PENTAX K-5IIs + SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC HSM  これにより、アメリカGPのエントリーは2005年モナコGP以来の18台。少なくとも20台以上の参戦を前提とした現在の予選方式を変更せざるを得ず、ブラジル、アブダビでも同様の措置が取られるでしょう。

20年ぶりの「雨の鈴鹿」

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 先日鈴鹿サーキットにて開催された2014年F1日本GPは、例年のような「最高の思い出を残しつつ無事に――」とは言えない、なんとも重苦しい幕切れとなってしまいました。 ジュール・ビアンキ、クラッシュで意識不明の重体 http://f1-gate.com/bianchi/f1_25205.html ジュール・ビアンキ、深刻な頭部外傷で緊急手術:FIA公式発表 http://f1-gate.com/bianchi/f1_25212.html  「ドライバーなら誰だって走っていて楽しいはずだ」「神の手で作られたサーキットじゃないかと思う」「幼い頃からここで走ることを夢見てきた」と、ドライバーたちから高い評価を受けるドライバーズサーキット・鈴鹿。しかし、ドライコンディションでは最高の愉悦をフォーミュラ・パイロットに与えるレイアウトも、ひとたび雨天ともなれば、その特異かつ複雑なコーナーの連続が、攻める者たちに危険な牙を剥く。  思い起こせば、フリー走行や予選では大雨に見舞われたことがしばしばありましたが、鈴鹿の決勝レースがフルウェットで開催されたのは、実に20年も前に遡らないとありません。  時は1994年。この数字に苦い思い出を想起されるF1ファンは世界中にいるでしょう。最も有名な出来事は、アイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーが天に召されたサンマリノGPイモラ・サーキットですが、鈴鹿サーキットにおいても忘れられない出来事がありました。  豪雨の中、スピンするマシンが後を絶たない状況でそれでも続けられた13周目、第7コーナー出口でフットワークのジャンニ・モルビデリがクラッシュし、その直後に同じ場所でマクラーレンのマーティン・ブランドルがコースアウトしてタイヤバリアに激突。この時、モルビデリのマシンを撤去していたコースマーシャルをブランドルのマシンが撥ね、マーシャルが脚を骨折するという事件が発生したのです。  そして月日は流れて2014年10月5日。20年ぶりとなった「雨の鈴鹿決勝」は、20年前の鈴鹿を想起させるような、なんとも後味の悪い事件となってしまいました。 鈴鹿S字コーナーを攻めるジュール・ビアンキ(2014F1日本GPフリー走行2) PENTAX K-5IIs + SIGMA APO 120-400mm F4.5-5.6

F1、おカネの話

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 熱帯地方と化したかのような夏も終わり、いよいよF1日本GPが鈴鹿サーキットにおいて開催されるウィークエンドを控え、モータースポーツニュースも活気づいてくる中、ひとつの報告がF1チームから発信されました。 「ケータハム、可夢偉の日本GP参戦を発表」 http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=60269  ほっと胸を撫で下ろすと同時に、「なぜレギュラードライバーがちゃんと参戦するというだけでニュースにならなきゃいけないんだ」と腹を立てるファンも多かったことでしょう。まして、鈴鹿サーキットにおいて過去に様々なドラマを生み出した、"世界に通用する日本人ドライバー"小林可夢偉となればなおのこと。他チームのエース格と比べても引けをとらないレースパフォーマンスは周知の通り。スポット参戦のドライバーに毎回のようにシートを譲る譲らないの、いっそ毎レース最下位を譲らない同僚マーカス・エリクソンを交代させれば良いじゃないかと、半ば八つ当たり気味にそう考えてしまっても無理ない話。  しかし、速さには疑いのない小林可夢偉を下ろしてでも、未知数のルーキーから入るであろう「マネー」に頼らなければいけないということが、ケーターハムの、ひいてはF1が抱える闇を象徴しているといえるでしょう。 鈴鹿S字コーナーを攻めるギド・ヴァン・デル・ガルデ(2013年) PENTAX K-r + PENTAX smc DA 55-300mm F4-5.8ED

チームオーダーを出すということ

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 2014F1ハンガリーGPは、様々なドラマが産まれた名レースでしたが、その中で、終盤の注目ポイントの一つであった、「メルセデスGPによるルイス・ハミルトンへのチームオーダー」から、F1史におけるチームオーダーについてのあれこれを書き連ねてみたいと思います。 チームオーダーにハミルトン「ショック」、ラウダはハミルトンを支持 http://www.topnews.jp/2014/07/28/news/f1/111086.html ハミルトン「自分はレースをするために雇われている。チームオーダーを聞くためじゃない」 http://www.topnews.jp/2014/07/29/news/f1/drivers/lewis-hamilton/111118.html ハミルトンがチームオーダーに従わなかったためにメルセデスAMGは優勝をライバルチームに明け渡してしまったのかもしれない。 ハミルトンも、チームオーダーには「正しい理由」があったのだろうと認めている。 しかし、チャンピオン争いをリードするロズベルグを追う立場のハミルトンは、ロズベルグを抑えたことでポイント差を縮めることができた。 「彼と同じレースをやっていたんだ」とハミルトン。「だから、チームがああいうことを僕に求めるなんて、ものすごくショックだった。彼が順位を上げられるようにしろだなんて」 「あれはちょっと変だよ」  さて、一口にモータースポーツと言っても様々で、四輪、二輪などのあからさまな違いの他にも、フォーミュラマシンかGTマシンかの違いや、1レースにつき1チームが何台のマシンを走らせるかとか、かなり多様に細分化されます。  その中でも、1チームが複数台のマシンを走らせるカテゴリにおいて問題となってくるのが、冒頭に挙げた記事にもありますチームオーダーの存在。特にF1においては昔からこのチームオーダーが物議を醸しておりまして、悲喜こもごものドラマがここから生まれています。

強さを支えるもの

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 にわかサッカーファンを大量に生み出しているサッカーW杯も10日が過ぎましたが、日本代表の一次リーグ突破は極めて難しくなっている状況らしく、ニュースの調子も「勝たなければならない!」ではなく、「せめて1勝」という色に置き換わってしまっています。  普段観ていないので、日本がどのような実力であるかというのはよくわかっていないのですが、様々な記事を拾い読みする限り、勝てない、勝ち切れない原因は「自分たちのサッカー」というものができていない、というところに尽きるようです。  自分たちのサッカー、というのが何なのか私にはわかりません。知識がないからです。ただ、プレースタイルを一貫できていないことは諸々の記事からわかりますし、そうであるなら、選手か、あるいは監督をはじめとするスタッフか、その両方かに、自分の力、強さに対する自信がないのであろう、ということには察しが付きます。  W杯は準備期間が長く、地区予選を含めて4年間を費やすようですが、その間に各代表チームは練習を積み、試合を重ね、自分たちの力量に合ったプレースタイルを確立し、それぞれの目標に向かって研鑽と経験を積む。  本戦であるW杯はその積み上げた成果を示す場であり、すべての準備はここまでに終えておかなければならない。逆に言えば、ここまでに準備できなかったことは、示したくても示せないということ。プレースタイルが一貫できないということは、その「準備できなかったこと」をやろうとしていることに他ならず、それでは確かに勝てないだろうと思います。  もちろん、様々な事情はあるのでしょう。準備できていたことが思うように実行できない、通用すると思っていた実力が跳ね返される、広いと思っていた道は予想外に狭く、見通せると思っていた景色は遮られて先も見えない。そうならいっそ、今までのことを捨ててもいいじゃないか、と。  しかし、やはりそれは無理な願いなのでしょう。実力以上のことができないように、実力外のことだって人間にはできない。自分たちにできるのは準備していたことだけであり、それ以外のいかなるものをどれだけ渇望しても、ないものは決してそこには現れない。  茨の道であっても、先の見えない暗闇であっても、たとえ一歩先は谷底であったとしても、やってきたことを信じて地道に一歩ずつ進むしかない。  残酷ともいえるこの泥臭さは、常に

2014F1モナコGPの裁定について(再修正版)

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 2014F1モナコGPは、ベッテルのギアボックストラブル&ERSトラブルによるリタイアを含めて完走率の悪さが目立ち、セーフティカーが2度入る……これだけ見ると「波乱」の展開ですが、実際には全体の動きの少ない、退屈なレースとなってしまいました。  散発的に発生するイベントとしても、ハミルトンの目にゴミが入るなどして視界が悪くなり、最終盤でリチャルドとバトルせざるを得なくなった、あるいは、レース巧者のライコネンがセーフティカー中にデブリを踏んでパンクしてポジションを落としたり、マグヌッセンをオーバーテイクしようとして曲がりきれずにヘアピンで停止したりと、せいぜいその程度のもので、お世辞にもレベルの高いとは言いがたいものばかり。  さてそのさなか、各所で発生する接触やアンセーフリリースのため、5秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティが数人に出されることになりましたが、マルシャF1チームのジュール・ビアンキがこれを消化せずにレースを終えてしまうというトラブルが発生します。  おそらく彼らはセーフティカーラン中にペナルティを消化した、というつもりだったと思うのですが、実際にはセーフティカーラン中のペナルティ消化は認められておらず、その後、レースコントロールから何度も「ペナルティを消化しなさい」という指示が出されます。しかし、レース中にそれが実行されることはなく、ついに未消化のままチェッカーフラッグを迎えてしまう。  この時点でのリザルトは8位。マルシャにとっては初のポイントゲットです。ただ問題は、ペナルティ未消化=ペナルティ無視の事実が、どのように判断されるか。もし25秒加算であれば、レース後のギャップからして11番手になりポイント圏外。それでもまだ完走扱いですが、レース失格という裁定が下されれば最悪です。  しかし、実際にくだされた裁定は5秒加算のみ。ビアンキはポジションを落としはしましたが、9番手ということになり2ポイントゲット。初のポイントですが、これについてはtwitter上などでも疑問が挙げられていました。そんな軽い裁定でいいのか?と。 レース後の空に浮かぶ飛行船 K-r + DA-L 18-55mm F3.5-5.6AL  論点は二つ。「なぜ失格にならないのか?」、「5秒加算程度の軽い罰則で済むなら、レース中のストップ・アンド・ゴー・ペ

王者の意地

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 2014年スペインGPは大変興味深い一戦でした。チャンピオンシップ自体は、前戦までと同じくメルセデスGPの二人による争いでしたが、3位以下争いはチームの戦略とドライバーの技量が絡み合った、非常に熱の入ったもので、ややわかりづらいところはあるものの、F1の面白さを凝縮したような展開。  まずなんといっても、レッドブルのダニエル・リチャルドとウィリアムズのバルテッリ・ボッタスのポジション争い。  現在のところ、メルセデスを除くチームの中では最速と思われるレッドブルですが、それはコーナーリングスピードによるところが大きく、逆にストレートスピードは大変に遅い。このため、ホームストレートの長いこのサーキットでは、他チームにとっては最大のオーバーテイクポイントであるホームストレートのDRSゾーンがあまり役に立たないため、リチャルドとしてはメルセデスの二人はともかく、3位ポジションだけはキープしておきたい。しかし、残念ながらスタートに失敗したリチャルドはボッタスに先行を許し、予想通りDRSゾーンで差を詰めることができずに、第1スティントの間中ボッタスの後ろで走る羽目になってしまいます。  さて、問題なのはここから。リチャルドは15周目という早い段階で最初のタイヤ交換を行います。今回の決勝は2ストップ、もしくは3ストップの展開が予想されており、66周を争う中で15周目のピットインということは、おそらくリチャルドは3ストップになると思われました。ウィリアムズ側もその判断をしたようで、ボッタスの最初のタイヤ交換は21周目のタイミング。周回から考えて2ストップであることがわかります。この時のピットストップでリチャルドに先行されたものの、3ストップ作戦と思われるリチャルドはあと2回ピットインせねばならず、残り1回で良いボッタスは一時的に先行されたとしても、最終的にはリチャルドの前でフィニッシュできるだろうという計画です。  しかし、ここからレッドブル・リチャルドの走りは周囲の思惑を大きく超えていく。なんとリチャルドは、ミディアムタイヤを履いた第2スティントで、31周というロングランを行います。その間ずっと大きくタイムを落とすことなく、です。  そして長々走った46周目、ようやくリチャルドは2度目のタイヤ交換のためにピットインしますが、この時点でボッタスもタイヤ交換せざるを得ず