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2015F1日本GP! 日曜決勝 part.6 レース写真集・完

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 前回に引き続きF1日本GP。決勝で撮影した写真を並べていきます。 Squadra Toro Rosso STR10 / マックス・フェルスタッペン Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 600mm(トリミング有)・ ISO100・F10・1/200 Williams Martini Racing FW37 / バルテリ・ボッタス 600mm(トリミング有)・ ISO100・F7.1・1/400 McLaren Honda MP4-30 / フェルナンド・アロンソ 300mm・ ISO100・F16・1/100 Mercedes AMG Petronas F1 Team W06 Hybrid / ルイス・ハミルトン 400mm・ ISO100・F7.1・1/100 Mercedes AMG Petronas F1 Team W06 Hybrid / ルイス・ハミルトン 600mm(トリミング有)・ ISO100・F11・1/100

2015F1日本GP! 日曜決勝 part.5 続々・レース写真集

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 前回に引き続きF1日本GP。決勝で撮影した写真を並べていきます。 Infiniti Red Bull Racing RB11 / ダニール・クビアト Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 600mm(トリミング有)・ ISO100・F6.3・1/400 Sahara Force India F1 Team VJM08B / セルジオ・ペレス 600mm・ ISO100・F6.3・1/400 Lotus F1 Team E23 Hybrid / ロマン・グロージャン 600mm(トリミング有)・ ISO100・F6.3・1/400 Lotus F1 Team E23 Hybrid / ロマン・グロージャン 400mm(トリミング有)・ ISO100・F9・1/160 Mercedes AMG Petronas F1 Team W06 Hybrid / ニコ・ロズベルグ 300mm(トリミング有)・ ISO100・F10・1/160 Infiniti Red Bull Racing RB11 / ダニール・クビアト 300mm(トリミング有)・ ISO100・F10・1/160

2015F1日本GP! 日曜決勝 part.4 続・レース写真集

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 前回に引き続きF1日本GP。決勝で撮影した写真を並べていきます。 Scuderia Ferrari SF15-T / キミ・ライコネン Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 500mm(トリミング有)・ ISO100・F7.1・1/320 McLaren Honda MP4-30 / フェルナンド・アロンソ 500mm(トリミング有)・ ISO100・F6.3・1/320 Sahara Force India F1 Team VJM08B / セルジオ・ペレス 500mm・ ISO100・F6.3・1/320 Squadra Toro Rosso STR10 / カルロス・サインツJr. 500mm(トリミング有)・ ISO100・F8・1/320 SILKYPIX「ハードモノクローム」テイスト

2015F1日本GP! 日曜決勝 part.3 レース写真集

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 前回に引き続きF1日本GP。ドライバーズパレードが終われば、いよいよスタート進行です。  レコノサンスラップから国歌独唱、フォーメーションラップを経て、ついに2015F1日本GP決勝レーススタート。一周5.8kmのコースを53周、307kmを1時間半で駆け抜ける音速の祭典。  なおここから先は、トピックスがある場合以外は、時系列順に写真を並べていくだけにします。 Sauber F1 Team C34 / フェリペ・ナッセ Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 260mm(大幅にトリミング)・ ISO100・F7.1・1/500 Williams Martini Racing FW37 / バルテリ・ボッタス 300mm(大幅にトリミング)・ ISO100・F7.1・1/500 McLaren Honda MP4-30 / フェルナンド・アロンソ 300mm(大幅にトリミング)・ ISO100・F5.6・1/500

2015F1日本GP! 日曜決勝 part.2 ドライバーズパレード!

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 前回に引き続きF1日本GP。日本GP恒例ドライバーズパレードの模様です。  往年の名車に乗ったドライバーがコースを一周する様はなんとも平和。上機嫌のドライバーだと、途中で車を止めてコースに降りて手を振ったりします。小林可夢偉なんかはよく自分の応援席の前で降りてましたね。  海外のドライバーたちも、この催しを楽しんでいるということをよく聞きます。ブーイングとか全くしませんしね、日本のファンは。どんなドライバーでも分け隔てなく声援を送ります。  さて、まず出てきたはレッドブルの二人。リチャルドが手に持ってるのはレッドブルの缶ですね。暑かったですからねぇ、この時。朝曇ってたのが嘘のように、カンカン照りの日差しが照りつけてました。 ダニエル・リチャルド ダニール・クビアト  続いてはロータスの二人。乗ってるのはちょうどロータスの車ですね。この時ばかりは二人ともリラックスした表情。 パストール・マルドナード ロマン・グロージャン

2015F1日本GP! 日曜決勝 part.1 イベントいろいろ

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 年に一度のF1日本GP、日曜はいよいよ決勝です。  この日は明け方に少し雨が降ったせいか、朝は少し曇り空。昼前にはすっかり晴れるものの、午前中は雨の匂いがかすかに漂っている、そんなお天気。 Canon EOS 70D + EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS STM  しかし、会場は朝早くからすごい熱気です。さすが決勝、たくさんのお客さんで埋まっていて、やはりF1開催時はこうでなくてはという感じ。  地元の食材を活かした屋台も、開店直後から盛況で、たこ焼きやら焼きそばやらを抱えたお客さんで大にぎわい。  特にGPスクエアの特設ステージ前は、朝の9時からこんな感じです。  金曜土曜もステージ前は盛況でしたが、日曜は桁違い。皆さん何をお待ちかねだったかというと、レジェンドドライバーのゲルハルト・ベルガー、鈴木亜久里のトークショー。

2015F1日本GP! 土曜セッション part.3 最速を決めるセッション

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 前回に引き続きF1日本GP。午前中は東コースエリアにいましたが、午後は場所を移動してヘアピン近辺です。  当初はヘアピン席下のエリアにしようかと思ってましたが、午前中に場所が埋まってしまっていたので、ヘアピン〜200Rの中間あたりのカメラマンエリアと、ヘアピンの頂点付近のカメラマンエリアで撮影することに。前者は少し遠い上に金網が微妙に邪魔ですが、後者はヘアピンの旋回中での撮影になるので、こちらは距離が近い。また車速が遅くなっているので、止め絵を取るのにはうってつけです。流し撮りしたい場合はどちらも向きませんが、まぁそれは今回は撮る気はあまりないので。  さて、予選が始まるとついに本番開始!という雰囲気。誰がポールポジションを獲るか、マクラーレン・ホンダ勢はせめてQ2には進めるのか。お客さんもみんな席について、固唾を呑んで見守る時間。 決勝が「最強を決めるためのセッション」であるなら、予選は「最速を決めるためのセッション」。天候やラバーグリップの状況、クリアラップを取れるかどうかという駆け引きはあるにせよ、決勝に比べれば勝負はシンプル。とにかく速く走れば良い。ポールポジションを獲った者こそが、その年、そのサーキットにおける「最速のドライバー」です。 Manor Marussia F1 Team MR03B / ウィル・スティーブンス 600mm(トリミング有)・ ISO100・F7.1・1/200  同時に、最遅が決まってしまうのもまた予選の厳しさ。決勝であれば、レーシングアクシデント如何によっては、たとえ最速ドライバーでも最下位でレースを終えるということがありますが、予選ではマシントラブルならびに他車のクラッシュによる影響以外の言い訳は効きません。  そして今年最下位の常連なのがマノー・マルシャの2台。前年度はケーターハムがいたので、彼らと最下位を分けあっていたものですが、今年はライバルがいなくなってしまったので、ぶっちぎりのビリッケツ。来年はメルセデスエンジンを積むそうなので、多少良くなる可能性はありますが、主要スタッフの離脱のニュースも聞こえてくるので、まだまだ厳しいレースが続きそう。がんばれテールエンダー。 Manor Marussia F1 Team MR03B / アレクサンダー・ロッシ 600mm(トリミン

2015F1日本GP! 土曜セッション part.2 名門の資質

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 前回に引き続きF1日本GP。リアルタイムではもうロシアGPもアメリカGPも終わって、ついでにワールドチャンピオンまで決まっていますが、のんびりやります。とりあえずハミルトンおめでとう!  さて土曜最初のセッションはフリー走行三回目。この日は当初の予定ではB席スタンド上のカメラマンエリアから撮影するつもりでしたが、大量の羽虫が発生していてそれどころではなかったため断念。午前中はC席・D席のカメラマンエリアに陣取ることに。  金曜日とは打って変わって良い天気のうえ、土曜日なだけあってお客さんはいっぱい。客席に座っている人や両隣のカメラマンの邪魔にならないように、周囲を気にしながらの撮影です。 McLaren Honda MP4-30 / フェルナンド・アロンソ 600mm(トリミング有)・ ISO100・F8・1/100 Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM  金曜のウェットコンディションでもけっこう走っていましたが、ドライコンディションはこの週末初とあって、みんな忙しく周回します。第二の母国レースとなるマクラーレン・ホンダ、財政難という逆境の中でのグランプリとなるロータスあたりは、見ている方も事情を知っているだけに、その気迫が伝わってくるかのよう。 Lotus F1 Team E23 Hybrid / パストール・マルドナード 600mm(トリミング有)・ ISO100・F9・1/100

2015F1日本GP! 金曜フリー走行 part.4 続・ドライバー雑感

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 前回に引き続きF1日本GP。  フリー走行1回目が終わった後は、西コースまで移動してスプーンに到着。途中、ヘアピンの売店で昼食をとって、あとはスプーンのカメラマンエリアで待機。  この頃になるとさすがに雨はほぼやんでいて、なんとかレインカバーもいらない感じに。このまま最後まで行けるとありがたい。  さて、こちらのカメラマンエリアでは、200Rを脱出してスプーンに進入するまでを、正面から捉えられる場所に陣取ります。このポイントは今回初めて。  直線上のマシンはかなり遠くなるし、コーナー進入時は金網が邪魔と、非常に限定されたカットしか撮れそうにないですが、まぁ600mmに賭けてみましょう。  というわけで、こんな感じになりました。 Lotus F1 Team E23 Hybrid / パストール・マルドナード 400mm(トリミング有)・ ISO200・F7.1・1/320 Lightroomプリセット「Gritty-Medium」適用  うーん……。 Lotus F1 Team E23 Hybrid / ロマン・グロージャン 600mm(トリミング有)・ ISO200・F6.3・1/320 Lightroomプリセット「Gritty-Warm」適用  トリミング前提ならなんとか……という感じ。上は1/4、下は2/3くらいにトリミングしています。もっとコーナーに近づくまで待てば、トリミング不要なくらいに大写しできますけど、その場合は背景が全て路面になります。  それに1台だけだと非常に寂しい絵面になってしまうし、できれば何台かでバトルしているところを写したい。難しいなぁ、この場所。フリー走行や予選のように、単独で走っている時には向かないですね。

2015F1日本GP! 金曜フリー走行 part.3 ドライバー雑感

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 前回からの続きでF1日本GP。  FP1はとにかく逆バンクに張り付きです。  ところで、150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryのカスタム設定についてですが、現在はAFを「品位優先」、OSを「ダイナミック」、フォーカスリミッターは設定なしで主に運用してます。  「速度優先」でフォーカスリミッター設定した方が早いのはわかってますが、モタスポ撮影にそこまでの速度ってあまりいらないんですよね……。ロングストレートのトップスピード付近とか、あるいは遠ざかるマシンを後ろから写す際には使えると思いますが、それ以外の場面においては、品位優先で事足りる。それに速度優先だとやっぱり精度に不安が。なので、私の場合は上記設定がメインです。 Squadra Toro Rosso STR10 / マックス・フェルスタッペン 600mm(トリミング有)・ ISO125・F7.1・1/200 Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary  さて、コース上ではひっきりなしにドライバーが周回を重ねてます。上の写真は今年度最大の有望株マックス・フェルスタッペン。賛否両論あるドライバーですが、私はここ2〜3年の新人では、彼が最もワールドチャンピオンの匂いのする新人だと思います。  コース上で見せるオーバーテイクへの執念、コース外で見せる傲岸不遜な態度。まさにF1チャンピオンの資質。王者というのはワガママで自信満々な人にしかなれないんですよ。  最近はセバスチャン・ベッテルがなんだか性格の良いナイスガイみたいに語られてますが、彼がマルチ21騒動を起こしたことはつい2年前の話。同じです、彼もね。そうでなければ勝てない。マレーシアでウェバーをぶち抜いて行ったのを観た時は「これが王者だよなぁ」とニヤニヤしました。  ベッテルに比べれば、さすがにまだ若い分だけ荒削りな部分も多いルーキーですが、これから成長して、押すところと引くところのラインを完璧に制御できるようになったら、手がつけられないでしょう。楽しみなドライバーです。  そのフェルスタッペンの同僚がカルロス・サインツJr.。 Squadra Toro Rosso STR10 / カルロ

2015F1日本GP! 金曜フリー走行 part.2 高い機材より……

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 前回からの続きでF1日本GP。  カメラマンビブスを装着した後は、てくてく歩いて逆バンクまで移動します。今回、F1のチケットの他に、カメラマンミーティングの参加にも申し込んでいたので、それに付随して、現地でお高い機材を貸してもらえる予定なのですよ。  その機材というのが、7D Mark IIに加えて、100万円前後もする超高級機材! いやー、どきどきしますね。落として壊しちゃったらどうしようとか(笑  貸し出しのテントはE席上段……つまり逆バンク〜ダンロップコーナー席の最上段。丘の上って感じのところです。  現地で機材を見てみると、もううわーって感じのレンズがずらり。すごい大砲がひいふうみい。「どれにしますか?」というので、私が選んだのがこちら、 EF500mm F4L IS II USM 。  いやもう……、これ量販店だと100万円の値札が付きます。テンション上がりますわぁ。  しかし、高揚する気分に水をさすかのように、待ち時間の間に雨が強くなってくる。持参してきたポンチョを着ているので、当人は問題ありませんが、機材とコース上には不安がつきまとう。  まず1点目の問題としては、いくら防塵防滴とはいえ、やはり雨の中で自分のものではない高級機材を使うのは気がひける。もちろんレインカバー付きだし防塵防滴だし、滅多なことでは問題ないとはいえ、値段が値段だから……。  それともう一点は、雨の金曜フリー走行は、走行を見合わせられる可能性が高いこと。こちらの方が問題は大きいですね。  現代F1は年間で使えるPU数に規定があるので、土日で晴れる可能性が高ければ、雨の金曜日はPUのマイレージを稼ぐ(負担を軽減する)ために、走行しないという選択をとる場合が多いんですね。雨と晴れではセッティングがまるで違いますし、雨のコースでテストしたところで、晴れる土曜と日曜の参考にはならないわけです。  この週末の天気予報でも、土日の降水確率は10%程度なので、雨の気配は無視して良いレベル。金曜フリー走行はスルーするというのが、ベターな選択。  前回のブログで「現地観戦組にとって金曜の雨は土日のそれよりつらい」と書いたのは、それが理由です。  せっかくサーキットまで来ても走ってくれないんじゃどうしようもない。かといって自宅で待機というわけにもいかない。もし走るん

2015F1日本GP! 金曜フリー走行 part.1

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 ホンダレーシングの歴史とはすなわち無謀な挑戦の歴史でした。ろくにレーシングマシンなんか作ったこともなく、そのうえ倒産寸前だった経営状態の中で突然マン島TTレースに出場すると宣言してみたり、自社で初めて作る四輪車(トラックとオープンクーペ)と同時にF1マシンを開発していたり、いいテストコースがなかったからという理由で自分たちで国際サーキットを造成したり、無謀を通り越して狂気の沙汰としか言いようのないことばかりやってきたのが、ホンダという会社です。  しかし、その無謀と狂気を現実に変えていったという事実が、ホンダレーシングの凄味。マン島TTレースでは参戦3年目にして優勝、それも完全制覇と呼べる内容で制し、F1では参戦2年目の最終戦メキシコGPで初優勝。第二期ホンダF1では、マクラーレン・ホンダ体制の1988年に、16戦15勝という驚異的な勝率でシーズン制覇。そして鈴鹿サーキットは世界のトップドライバーたちが「真のドライバーズサーキット」と称賛を惜しまない、名コースのひとつとして名を馳せています。  やるからには必ず勝利し、完全制覇するまで終わらない。それが栄光と名声をほしいままにした、ホンダレーシングというレース屋集団だった。  しかし、何事もうまくいくことばかりではありません。敗北と挫折にまみれて活動を終了した、第三期ホンダF1の屈辱は記憶に新しい。B・A・Rホンダ〜ホンダワークスまでの9年の内わずか1勝しか出来ず、最後の2年は「惨敗」としか言いようのない成績のまま撤退。そのうえ、チームを売却した先のブラウンGP(のちのメルセデスAMG)が、2008年にホンダが最後の切り札として開発していたマシンを用いて、ドライバーズ・コンストラクターズを制覇。ファンも、そしておそらくはホンダ自身も、あれほど悔しい想いをしたことは他になかったことでしょう。  国内レースにおいても、スーパーGT・スーパーフォーミュラ共に、トヨタや日産の後塵を拝し、「もうセナ・プロの時代じゃないんだから」とドライバーにまで言われる始末。インディカーや二輪レースでは相変わらず最強クラスのメーカーとして君臨しているものの、日本の四輪レース、特にF1ファンにとっては、「勝てなかった第三期ホンダF1」の印象はあまりに強すぎた。インディでどれだけ強くても、二輪でどれだけ最速でも、それだけでは気分は晴れ

続・復活の赤い狼煙

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 AUTO SPORTに「レースの焦点」というタイトルで連載されている今宮雅子氏のコラムですが、今回もマレーシアGPのエントリが執筆されていて、相変わらず胸が熱くなる文章を書いてらっしゃいます。旦那さんである今宮純氏の文章は怜悧で辛口ですが、雅子氏の方は情熱的な語り口。対照的なご夫婦です。観点はどちらも的確ですが、アウトプットすると全然違う。  で、今回のエントリの中でもひときわ「そうなんだよなぁ〜」と頷いたのは以下の箇所。 主導権を握っていたベッテルの勝利は、この時点で確実になった。そのぶん彼が背負った重圧は計り知れない──物理的にはタイヤと作戦で説明されるレースでも、マレーシアGPの勝敗を大きく左右したのは、きっと、ベッテルの“勝ちたい”という強い思いだ。自身にとってもフェラーリにとっても、何があっても逃してはならないチャンスだった。 ( 【レースの焦点】熱くなるほど、強くなる ──今宮雅子 )  セバスチャン・ベッテルというドライバーは勝利に貪欲なドライバーです。時に、はたから見てあからさまなほどの軋轢を、同僚との間に生んでしまうほどに。  でもそんな激しい気性だからこそ、この世界で4度も頂点に上り詰めることができたのだし、切れてしまいそうな勝利へのか細い糸を手繰り続けられたのだと私は思う。  そして、執念とも言える勝ちへの渇望は、昨日今日始まったことではない。チャンピオンになるずっと前からそうだった。

復活の赤い狼煙

「今季、1回でも優勝できれば、私は満足するだろう。2回優勝できれば大満足であり、4回優勝できれば、天国にも上ったような気分になるだろうね」 (「F1速報」第1戦オーストラリアGP号より)  スクーデリア・フェラーリ現代表マウリツィオ・アリバベーネの、開幕前のコメントです。それは彼だけでなく世界中のティフォシの想いでもあったでしょう。最強メルセデスAMGの牙城はあまりに固く、トラブルがなければ、シーズン全戦全勝の完全制覇すら成し遂げられてしまうかもしれない。  長いF1の歴史の中で、コンストラクターズ完全制覇を成し遂げたのは、これまでわずか2チーム。それぞれ1950年のアルファロメオと、1952年のフェラーリで、どちらも60年以上前の話であり、どちらも年間のレース数が10戦に満たない頃の話。そんな記録を、20戦にもならんとする21世紀のF1で再現されるかもしれないという脅威。  それほど昨年からのメルセデスは強く、そのうえ、フェラーリの昨シーズンの成績は思い出したくもないほど散々だった。アリバベーネの「1度でも……」とは、本心からの一言であったはずだし、多くのF1ファンの思うところでもあったはず。  しかし、その記録はシーズン2戦目にして阻止されることになりました。63年前に完全制覇を成し遂げたスクーデリア・フェラーリ、そのイタリアの赤いマシンを駆るドイツ人ドライバー、セバスチャン・ベッテルによって。 「言葉にならない。レースの内容も良かったし、本当にチームに感謝したい。僕にとってもチームにとっても特別な日になった」 ( レスポンス )  レース後のインタビューでのベッテルのコメントです。そう、これは特別な勝利でした。なぜならフェラーリと同じように、彼もまた、昨シーズンは1勝もできない暗黒時代を過ごしていたのですから。

予想通りと予想外と 〜2015F1開幕戦オーストラリアGP決勝〜

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 昨日の予想通り、開幕戦決勝の順位はルイス・ハミルトン、ニコ・ロズベルグ、セバスチャン・ベッテルの表彰台でした。ここまでは充分に想定の範囲内。  ベッテルの表情が良かったです。メルセデスにはまぁちょっと追いつけないとはいえ、おととしまでの風格がちょっと戻ってきた感じですね。がんばれ、フォータイムス・チャンピオン。 今年もこの二人がトップ独走の気配 PENTAX K-5IIs + SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC HSM  Lightroom Crossify プリセット適用  しかし想定の範囲外のことが多く起こったのもまた事実。ひとつには、ダニール・クビアトの欠場。たしかにレッドブルは先行き不安でしたが、まさか開幕戦に二台並べることができないとは……。同じく一台が欠場と相成ったマクラーレン・ホンダについては、まぁそういうこともあるかもしれないと思ってはいましたが、レッドブルについては走るくらいはできるだろうと。  ちゃんとグリッドについたダニエル・リチャルドについては、パフォーマンスこそさして上がらなかったものの、少なくともトロ・ロッソの前でフィニッシュすることはできましたが(トロ・ロッソ勢の二台が共に期待外れに終わったことを差し引いても)、前年度の2番手を抑えていたチームとしてはかなり厳しい出だしと言わざるを得ません。

2015年F1開幕!

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 3月13日、ついに2015年シーズンのF1が開幕しました。ここまで予選を終えて、やはり強さを見せているのはメルセデスAMG。前年度に引き続き、今年も圧倒的なパフォーマンスで他チームに差をつけています。  ですが、それは開幕どころか昨年度からすでに予想されていたことで、さしあたって特筆すべきことではないでしょう。それよりも、今年の注目点は「どのチームがメルセデスに次ぐ2番手につけるのか」という点。ある意味でわびしい話ではあるものの、事実としてメルセデスに今年中に追いつくのは難しい。現実的には、シーズン終盤にかけていかにメルセデスに近づき、そして(今の内からそれを語るのもなんですが)来年度にメルセデスを崩せるか、その準備ができるかどうかが重要になってくるシーズンです。  さて、開幕戦オーストラリアGP、アルバート・パーク・サーキットでの現在の様子からして、2番手に名乗りを上げているチームは2チーム。  まず筆頭はメルセデスエンジンを搭載し、前年度からの好調を維持しているウィリアムズ。フェラーリから移籍して以降元気いっぱいなフェリペ・マッサが予選3番手につけており、今年も良いシーズンを送れそうな気配が伝わってきます。同僚バルテッリ・ボッタスはミスもあり6番手ですが、彼の速さは昨年証明済みなので、大筋では心配ないでしょう。  そしてもう1チームは、前年度で屈辱のシーズンを過ごしたフェラーリです。2列目の前をマッサに抑えられたとはいえ、4番手にセバスチャン・ベッテル、5番手にキミ・ライコネンを並べ、どうやら復活の狼煙が上がることができそうな勢い。特にベッテルは昨年散々なシーズンだったため、跳ね馬復活と同時に彼も上り調子になるのであれば、レッドブルからの遺跡は大正解ということに。今年の台風の目になりそうで、真紅の跳ね馬ファンにとっても楽しみなシーズンです。

ルーマニアからF1へ

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 マルシャ、およびケーターハムが破産手続きに入ったというニュースはご承知の通り。アメリカGPを欠場し、今後の2戦(ブラジル、アブダビ)も無理でしょう。 当ブログ でも危惧していましたが、やはり最小規模のテールエンダーにとってF1チームの運営はあまりにハードルが高かったようです。 鈴鹿サーキットにて ケーターハムに悩まされた小林可夢偉 でもケーターハムがいなかったら可夢偉もまたこの場所にいなかった PENTAX K-5IIs + SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC HSM  これにより、アメリカGPのエントリーは2005年モナコGP以来の18台。少なくとも20台以上の参戦を前提とした現在の予選方式を変更せざるを得ず、ブラジル、アブダビでも同様の措置が取られるでしょう。

20年ぶりの「雨の鈴鹿」

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 先日鈴鹿サーキットにて開催された2014年F1日本GPは、例年のような「最高の思い出を残しつつ無事に――」とは言えない、なんとも重苦しい幕切れとなってしまいました。 ジュール・ビアンキ、クラッシュで意識不明の重体 http://f1-gate.com/bianchi/f1_25205.html ジュール・ビアンキ、深刻な頭部外傷で緊急手術:FIA公式発表 http://f1-gate.com/bianchi/f1_25212.html  「ドライバーなら誰だって走っていて楽しいはずだ」「神の手で作られたサーキットじゃないかと思う」「幼い頃からここで走ることを夢見てきた」と、ドライバーたちから高い評価を受けるドライバーズサーキット・鈴鹿。しかし、ドライコンディションでは最高の愉悦をフォーミュラ・パイロットに与えるレイアウトも、ひとたび雨天ともなれば、その特異かつ複雑なコーナーの連続が、攻める者たちに危険な牙を剥く。  思い起こせば、フリー走行や予選では大雨に見舞われたことがしばしばありましたが、鈴鹿の決勝レースがフルウェットで開催されたのは、実に20年も前に遡らないとありません。  時は1994年。この数字に苦い思い出を想起されるF1ファンは世界中にいるでしょう。最も有名な出来事は、アイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーが天に召されたサンマリノGPイモラ・サーキットですが、鈴鹿サーキットにおいても忘れられない出来事がありました。  豪雨の中、スピンするマシンが後を絶たない状況でそれでも続けられた13周目、第7コーナー出口でフットワークのジャンニ・モルビデリがクラッシュし、その直後に同じ場所でマクラーレンのマーティン・ブランドルがコースアウトしてタイヤバリアに激突。この時、モルビデリのマシンを撤去していたコースマーシャルをブランドルのマシンが撥ね、マーシャルが脚を骨折するという事件が発生したのです。  そして月日は流れて2014年10月5日。20年ぶりとなった「雨の鈴鹿決勝」は、20年前の鈴鹿を想起させるような、なんとも後味の悪い事件となってしまいました。 鈴鹿S字コーナーを攻めるジュール・ビアンキ(2014F1日本GPフリー走行2) PENTAX K-5IIs + SIGMA APO 120-400mm F4.5-5.6

F1、おカネの話

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 熱帯地方と化したかのような夏も終わり、いよいよF1日本GPが鈴鹿サーキットにおいて開催されるウィークエンドを控え、モータースポーツニュースも活気づいてくる中、ひとつの報告がF1チームから発信されました。 「ケータハム、可夢偉の日本GP参戦を発表」 http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=60269  ほっと胸を撫で下ろすと同時に、「なぜレギュラードライバーがちゃんと参戦するというだけでニュースにならなきゃいけないんだ」と腹を立てるファンも多かったことでしょう。まして、鈴鹿サーキットにおいて過去に様々なドラマを生み出した、"世界に通用する日本人ドライバー"小林可夢偉となればなおのこと。他チームのエース格と比べても引けをとらないレースパフォーマンスは周知の通り。スポット参戦のドライバーに毎回のようにシートを譲る譲らないの、いっそ毎レース最下位を譲らない同僚マーカス・エリクソンを交代させれば良いじゃないかと、半ば八つ当たり気味にそう考えてしまっても無理ない話。  しかし、速さには疑いのない小林可夢偉を下ろしてでも、未知数のルーキーから入るであろう「マネー」に頼らなければいけないということが、ケーターハムの、ひいてはF1が抱える闇を象徴しているといえるでしょう。 鈴鹿S字コーナーを攻めるギド・ヴァン・デル・ガルデ(2013年) PENTAX K-r + PENTAX smc DA 55-300mm F4-5.8ED

チームオーダーを出すということ

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 2014F1ハンガリーGPは、様々なドラマが産まれた名レースでしたが、その中で、終盤の注目ポイントの一つであった、「メルセデスGPによるルイス・ハミルトンへのチームオーダー」から、F1史におけるチームオーダーについてのあれこれを書き連ねてみたいと思います。 チームオーダーにハミルトン「ショック」、ラウダはハミルトンを支持 http://www.topnews.jp/2014/07/28/news/f1/111086.html ハミルトン「自分はレースをするために雇われている。チームオーダーを聞くためじゃない」 http://www.topnews.jp/2014/07/29/news/f1/drivers/lewis-hamilton/111118.html ハミルトンがチームオーダーに従わなかったためにメルセデスAMGは優勝をライバルチームに明け渡してしまったのかもしれない。 ハミルトンも、チームオーダーには「正しい理由」があったのだろうと認めている。 しかし、チャンピオン争いをリードするロズベルグを追う立場のハミルトンは、ロズベルグを抑えたことでポイント差を縮めることができた。 「彼と同じレースをやっていたんだ」とハミルトン。「だから、チームがああいうことを僕に求めるなんて、ものすごくショックだった。彼が順位を上げられるようにしろだなんて」 「あれはちょっと変だよ」  さて、一口にモータースポーツと言っても様々で、四輪、二輪などのあからさまな違いの他にも、フォーミュラマシンかGTマシンかの違いや、1レースにつき1チームが何台のマシンを走らせるかとか、かなり多様に細分化されます。  その中でも、1チームが複数台のマシンを走らせるカテゴリにおいて問題となってくるのが、冒頭に挙げた記事にもありますチームオーダーの存在。特にF1においては昔からこのチームオーダーが物議を醸しておりまして、悲喜こもごものドラマがここから生まれています。