2015F1日本GP! 金曜フリー走行 part.4 続・ドライバー雑感

 前回に引き続きF1日本GP。
 フリー走行1回目が終わった後は、西コースまで移動してスプーンに到着。途中、ヘアピンの売店で昼食をとって、あとはスプーンのカメラマンエリアで待機。
 この頃になるとさすがに雨はほぼやんでいて、なんとかレインカバーもいらない感じに。このまま最後まで行けるとありがたい。

 さて、こちらのカメラマンエリアでは、200Rを脱出してスプーンに進入するまでを、正面から捉えられる場所に陣取ります。このポイントは今回初めて。
 直線上のマシンはかなり遠くなるし、コーナー進入時は金網が邪魔と、非常に限定されたカットしか撮れそうにないですが、まぁ600mmに賭けてみましょう。

 というわけで、こんな感じになりました。


Lotus F1 Team E23 Hybrid / パストール・マルドナード
400mm(トリミング有)・ ISO200・F7.1・1/320
Lightroomプリセット「Gritty-Medium」適用

 うーん……。


Lotus F1 Team E23 Hybrid / ロマン・グロージャン
600mm(トリミング有)・ ISO200・F6.3・1/320
Lightroomプリセット「Gritty-Warm」適用


 トリミング前提ならなんとか……という感じ。上は1/4、下は2/3くらいにトリミングしています。もっとコーナーに近づくまで待てば、トリミング不要なくらいに大写しできますけど、その場合は背景が全て路面になります。
 それに1台だけだと非常に寂しい絵面になってしまうし、できれば何台かでバトルしているところを写したい。難しいなぁ、この場所。フリー走行や予選のように、単独で走っている時には向かないですね。


 それはそうと、ロータスは今回よく出走できたものです。ルノーの買収の話はありましたが、まだお金は入ってきてもいないし、差し押さえでホスピタリティすら使えないという状態。彼らの苦労がしのばれます。
 資金力に定評のあるパストール・マルドナードがいても、チーム自体の存続の行方が不安定だったため、PDVSAのマネーに頼れなかったというのが実情のよう。でもそれっと、なんだかマルドナードの無駄遣いのような……。資金以外に何か魅力があるのかというと、なかなか、その、ねえ。
 まぁこれでも前所属チームのウィリアムズ最後の優勝者ではあるんですが、それ以降は鳴かず飛ばずというか、鳴く時は他を巻き込むという、まぁ、その、ねえ。来年もロータス(ルノー?)に残留するようですが、ルノーワークスとしてマルドナードをわざわざ使う必要があるのか疑問。

 逆に、ロータスから離れることになるのがロマン・グロージャン。来季はハースF1チーム所属になり、気分も一新ですね。
 デビュー後しばらくはマルドナードと並ぶクラッシャーとして名を馳せたものですが、キミ・ライコネンと組んだ2年間で大幅に成長。
 2013年シーズン終盤では、セバスチャン・ベッテルに次ぐ位置までのぼりつめましたが、あいにくその後のロータスが低迷しているため、実力を発揮できていない。ハースF1で飛躍できると良いんですが、どうなるでしょうね。

 新チームとして未知数のハースF1ですが、技術提携としてフェラーリと組んでいるというのは面白いところ。そのフェラーリに移籍して、前年度の不調を払拭したのが、セバスチャン・ベッテル。


Scuderia Ferrari SF15-T / セバスチャン・ベッテル
500mm・ ISO100・F8・1/100


 チーム自体の体制が大変革した年に加入してきているので、ベッテルの力でフェラーリ復活したとは言いません。が、ドイツ人らしい勤勉さと持ち前のポジティブさで、チームの士気を上げるのに貢献しているらしいことは、高評価の対象でしょう。
 レッドブル時代「僕に足りないのは赤いレーシングスーツだけだ」と発言するくらいのフェラーリ(&ミハエル・シューマッハー)大好き人間。おかげで最近はほんとイキイキしてますね。
 上の写真なんて、スプーンを攻めてる最中だというのに、観客席に手を振ってますよこの人。余裕すぎ。鈴鹿サーキットもお気に入りのようなので、雨の中を観戦しているファンがいっぱいいるのが嬉しかったんですかね。
 ちなみにこの写真を撮った時は雨は全然降っていなくて、路面から巻き上げられる水しぶきも少なくなってきてました。これだけ見ると、ほとんどドライコンディションの写真ですね。

 さてレッドブルを後にしたベッテルが飛躍した一方、レッドブルに残って苦労しているのがダニエル・リチャルド。


Infiniti Red Bull Racing RB11 / ダニエル・リチャルド
600mm(トリミング有)・ ISO100・F7.1・1/160


 昨年、大幅に変わったマシンに、最後まで慣れることのなかったベッテルをよそに、3度の優勝。メルセデス勢に次ぐ3位をキープするなど、ハイブリッドF1ではベッテルを越えたと言われたリチャルドですが、今季はすっかり低迷。メルセデスに差をつけられているのは変わらない上、フェラーリが躍進したせいで、レッドブルのポジションがそのぶん下降。
 ドライビングスキルは確かに抜群ですが、チャンピオンに必要な「運」や「巡り合わせ」には、今のところ恵まれていないようで……。
 シーズン中の開発が制限される中では、一度チーム間の差がついてしまうと、逆転は難しい。現代F1マシンに適応したドライバーではありますが、現代F1の悪い面にハマってしまっているのが残念。
 いまもって決まらない来季PUサプライヤーの件といい、実力はあるのに王者になれないドライバーになりつつあるのが気になります。

 一方、F1で勝てなくても、別の世界的レースでチャンピオンになったのが、ニコ・ヒュルケンベルグ。今年度ル・マン24時間耐久レースの覇者。 


Sahara Force India F1 Team VJM08B / ニコ・ヒュルケンベルグ
600mm(トリミング有)・ ISO100・F7.1・1/160


 いやー、あのリザルトにはびっくりしました。もともと速さは評価されていましたが、まさか優勝するとは……。
 チームに恵まれないせいで、いまだに一度もF1表彰台に上っていませんが、今後は強いチームからのオファーもあるかもしれませんね。少なくとも、ネームバリューは一気に上がりました。
 来年もまたル・マンに出るのかと目されていましたが、残念ながらスケジュールの関係でそれは無しに。まぁ、F1に集中してもらいましょう。

 ヒュルケンベルグの同僚セルジオ・ペレスは、時折思い出したように光る走りを見せるときもありますが、結果としてのリザルトは地味なのを重ねていますね。


Sahara Force India F1 Team VJM08B / セルジオ・ペレス
320mm(トリミング有)・ ISO400・F8・1/400
Lightroomプリセット「Gritty-Light」適用


 一時期は強気を通り越して、単に引き際を見誤っているだけだったドライビングも、最近は角が取れつつあって、いい感じでまとまってきています。所属した3チームがどこも低迷しているため、ポイントに繋がらないのが悲しいところ。
 瞬間の速さはあるので、ツボにハマりさえすれば……とは思いますが、まだ1枚2枚足りないところがありそうな気がします。
 あと、上の写真はまた雨が降って(しかもかなり強く)きてからのものですね。ウォータースクリーンも派手に上がってます。
 いやもう、この日は本当に天候が不安定でした。まぁおかげで、雨らしい写真になりましたけどね。でも家に帰ってきてから、湿気を取るのに苦労しました。

 次はペレスとかつて同僚だった、ジェンソン・バトン。彼もまた、ポイントに恵まれない日々が続いています。


McLaren Honda MP4-30 / ジェンソン・バトン
600mm(トリミング有)・ ISO100・F6.3・1/160


 フェルナンド・アロントとともに迎えた、「マクラーレン・ホンダ」としてのリスタート。熟成の進まないPU、煮詰まらないシャシー、ミスを繰り返すチーム。元王者コンビを擁するチームとは思えない逆境の日々です。それでも、数少ないチャンスから、たった数ポイントとはいえ持ち帰ってくるあたり、さすが元王者。
 来年も引き続き所属してくれるようですし、せめて次につながる何かを持ち帰ってきて欲しいところです。
 それにしても、ここ最近まで続いたバトンの去就報道は、10年ほど前にもあった、ウィリアムズへの移籍問題を彷彿とさせます。彼にはこの手の話がつきまといますね。

 契約問題でよくストーブリーグを沸かせるのがもう一人、ルイス・ハミルトン。マクラーレンからメルセデスへの移籍のときも驚かれましたが、今年春頃まで続いた、一向に確定されない契約延長の件でも、ずいぶんニュースに上がりました。


Mercedes AMG Petronas F1 Team W06 Hybrid / ルイス・ハミルトン
600mm(トリミング有)・ ISO200・F8・1/400


 ベッテルを見習ったのか何なのか、マネージャーを通さずに自分で契約交渉をするという手段をとったのが、長いことかかった実情のようですが、まぁそんなことができるのも、絶対的に強いチームとマシンに、精神的な余裕が持てるためかも。いや、速いのはそれだけじゃなく、本人の速さも、現役トップクラス。
 フリー走行でのセッティング決め、予選での一発の速さ、決勝での強さ、どれも一流。昨年まであった精神的に脆い部分も、今年はすっかり克服したかのよう。パフォーマンスの上がらなかったシンガポールGPで、「勝てると思うよ」「大丈夫」と楽観的に語る様に、彼の成長を感じたものです。
 結果としてはリタイアでしたが、ネガティブだったニコ・ロズベルグとの差を、レース外で見せつけたエピソード。ハミルトンは強いです。

 さて、金曜フリー走行は今回で一区切り。次回からは土曜セッションです。なので最後に思い切りレタッチしたものを一枚。200Rからスプーンへ向かうところを別角度から。


McLaren Honda MP4-30 / フェルナンド・アロンソ
600mm(トリミング有)・ ISO100・F9・1/125
Lightroomプリセット「Gritty-Heavy」適用


 ウェットコンディションらしい一枚になったでしょうか。でも土曜日からは、見違える様なドライコンディションです!

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