2015F1日本GP! 金曜フリー走行 part.2 高い機材より……

 前回からの続きでF1日本GP。
 カメラマンビブスを装着した後は、てくてく歩いて逆バンクまで移動します。今回、F1のチケットの他に、カメラマンミーティングの参加にも申し込んでいたので、それに付随して、現地でお高い機材を貸してもらえる予定なのですよ。
 その機材というのが、7D Mark IIに加えて、100万円前後もする超高級機材! いやー、どきどきしますね。落として壊しちゃったらどうしようとか(笑

 貸し出しのテントはE席上段……つまり逆バンク〜ダンロップコーナー席の最上段。丘の上って感じのところです。
 現地で機材を見てみると、もううわーって感じのレンズがずらり。すごい大砲がひいふうみい。「どれにしますか?」というので、私が選んだのがこちら、EF500mm F4L IS II USM
 いやもう……、これ量販店だと100万円の値札が付きます。テンション上がりますわぁ。

 しかし、高揚する気分に水をさすかのように、待ち時間の間に雨が強くなってくる。持参してきたポンチョを着ているので、当人は問題ありませんが、機材とコース上には不安がつきまとう。

 まず1点目の問題としては、いくら防塵防滴とはいえ、やはり雨の中で自分のものではない高級機材を使うのは気がひける。もちろんレインカバー付きだし防塵防滴だし、滅多なことでは問題ないとはいえ、値段が値段だから……。

 それともう一点は、雨の金曜フリー走行は、走行を見合わせられる可能性が高いこと。こちらの方が問題は大きいですね。
 現代F1は年間で使えるPU数に規定があるので、土日で晴れる可能性が高ければ、雨の金曜日はPUのマイレージを稼ぐ(負担を軽減する)ために、走行しないという選択をとる場合が多いんですね。雨と晴れではセッティングがまるで違いますし、雨のコースでテストしたところで、晴れる土曜と日曜の参考にはならないわけです。
 この週末の天気予報でも、土日の降水確率は10%程度なので、雨の気配は無視して良いレベル。金曜フリー走行はスルーするというのが、ベターな選択。
 前回のブログで「現地観戦組にとって金曜の雨は土日のそれよりつらい」と書いたのは、それが理由です。
 せっかくサーキットまで来ても走ってくれないんじゃどうしようもない。かといって自宅で待機というわけにもいかない。もし走るんだったらどうしても現地で見たいんだから。
 だから、現地観戦組は雨が降ろうが台風が来ようが、「今日はさすがに無理だろう」と思いつつも、サーキットに足を運ぶ。「もしかして走るかも」という可能性を、どうしても消去できない。バカですねー、我ながら。

 ともかくこうなると、せっかくの高級機材貸し出しも無意味。予約制で、取れたのが金曜のフリー走行1回目の序盤15分という、おそらくは最も走行の可能性が低いであろうところだったのは不運。
 ポンチョのフードを叩く雨の音を聞きながら、係員の人と「走らないかもしれないですねー」「そうですねー」なんて、気の滅入る会話をしてみたり。
 そうこうしているうちに、FP1のセッション開始。雨は降り続いていて、こりゃダメだぁ……何て思っていたんですが、なんと、パドック方面から勇ましいエンジン音が聞こえてくる!
 そして場内実況のピエール北川さんの「マノーが出てきたぞー!」のアナウンス。おおおお、すごい、この雨の中を出てくるのか!
 にわかにざわめくE席上段カメラマンエリア。私の他に数人が待機していたのですが、その瞬間、一斉に撮影ポイントに瞬間移動(笑
 カメラのファインダーを覗いて、さあいつでも来いとばかりにカメラを構えます。

 で、まぁ貸し出し時間15分の間に、ぱしぱし撮ってみたんですが……
 
Lotus F1 Team E23 Hybrid / パストール・マルドナード
500mm(トリミング有)・ ISO125・F4・1/400
Canon EOS 7D Mark II + EF500mm F4L IS II USM

 うーん……ビミョー!
 でも言い訳させて下さい。だってね、7D mark IIなんて初めて触るんだもん!
 「同じCanonなんだから操作方法は同じようなもんだろ」って思うじゃない。でも違うんですよ、70Dと全然違うんですよ。ジョグダイヤルの意味は同じでも、まずカーソルの移動をどこでやるのかわからない。

 これが晴れなら右肩液晶とか見ながら、近辺のボタンを押せばいいんだろうけど、レインカバーがかかっているから、ブラインドでやるしかない。でも70Dとボタンの配置が違ってて、どれがどれやらわからない。
 じゃあと思って背面液晶で操作しようと思ったら、こっちはこっちでよくわからん。AFモードとかドライブモードとか変えたいのに、十字ボタンらしきところを押しても反応がないし。係りの人に聞いたら、Qボタンで選択するって、そんなのわからんて! 絶対これ直感的に分からないと思うんだけど、なんでこんな操作系に……。

 本当はいろいろ設定とか変えて撮りたかったけど、操作方法がわからないので、もうシャッタースピード優先、連写モードにするだけで、あとは野となれ山となれ。いつもはRAW+JPEGなのに、JPEGの保存だけだし。もうレンズの醍醐味なんか味わう暇はなかったですよ……。

 結論:高い機材より慣れた機材!

 高い機材に慣れられれば、それに越したことはないと思いますがね。

 さて、あまり堪能できないまま100万円の機材を返し、気を取り直して自前のカメラとレンズを準備します。現在の主力機、Canon EOS 70D+SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary。昨年までのPENTAX機からCanon機に乗り換えたのは、ひとえにF1をより楽に写したかったから。つまりこの週末こそ本番だ!


 一脚にセットしたらE席近辺から離れて、付近の逆バンクD席に移動します。さすが雨でもこのポイントはカメラマンで大盛況ですが、なんとか空いてる場所を見つけて撮影だ。
 そしてほどなく走ってくる黒いマシン。
 
McLaren Honda MP4-30 / フェルナンド・アロンソ
600mm(トリミング有)・ ISO200・F6.3・1/400
Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary

 キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
 マクラーレン・ホンダのエース、フェルナンド・アロンソ! さすがに今期のマシンパフォーマンスではどうしようもないですが、それでもやはり、鈴鹿で!マクラーレン・ホンダのマシンを!現役最強クラスのドライバーが!ドライブしているのを見るのは、テンションが上がります。


McLaren Honda MP4-30 / フェルナンド・アロンソ
600mm(トリミング有)・ ISO320・F6.3・1/400

 カラーリングは暗黒面に堕ちたウルトラマンみたいだし、スポンサーロゴは少ないし、写真栄えがするとは言い難いですが、そんなの関係ない! 今週末は優先的に撮りまくりますよ。

 さて、この雨だというのに、意外にもコースに出てくるマシンが多い! 一時的に雨脚が強くなるとさすがにピットに引き上げちゃいますが、それも長時間誰も出てこないなんてことはなく、様子を見るかのように周回してはピットに戻る、なんてことを繰り返します。隙あらば走ってやろうという気が伝わってくる。
 なんだろう、雨なのにみんなやる気マンマンじゃん! 海外ではスパ・ウェザーと並んで「スズカ・ウェザー」なんて言われてるらしいですが、土日も雨が降る可能性を考慮してるのか? ルイス・ハミルトンはどうやら走りたくないっぽいですが、他のドライバーはマシンに乗りっぱなしですよ。

Mercedes AMG Petronas F1 Team W06 Hybrid / ニコ・ロズベルグ
300mm(トリミング有)・ ISO160・F5.6・1/400

 ニコ・ロズベルグも、走りたくないっぽい同僚をよそに、元気良く走ってます。同僚が強いなら、こういうところでスキルを稼がないとね。
 そして雨脚の様子を見つつも、一台、また一台とコースイン。やがて一周でピットに入るなんてこともなくなり、コントロールラインを通過するドライバーが一人、また一人!
 おおお、いいねいいね! 雨の金曜日でこんなに走ってくれるなんて思わなかったよ。もしかして鈴鹿に詰め掛けた観客の多さをみて、サービスしてくれてるのかも、なんて思ったり。
 なれば観てるこっちも全力だ。一所懸命レンズを向けますよ。

Squadra Toro Rosso STR10 / カルロス・サインツJr.
300mm(トリミング有)・ ISO100・F11・1/100

 おお、有望新人の一人、カルロス・サインツJr.! 同僚マックス・フェルスタッペンの陰に隠れがちですが、彼も地味に良い仕事してますよ。マシントラブルが多いのは不運だけど、めげずにがんばろう。
 それにしてもさすが雨のフォーミュラ、ウォータースクリーンがハンパない。GTカーみたいにホイールハウスがあるわけじゃないから、巻き上げた水は全て空に解き放たれる。晴れのフォーミュラもカッコイイけど、雨のフォーミュラもまた一味違うかっこよさ。


Scuderia Ferrari SF15-T / セバスチャン・ベッテル
600mm(トリミング有)・ ISO250・F6.3・1/400

Sahara Force India F1 Team VJM08 / セルジオ・ペレス
600mm(トリミング有)・ ISO250・F6.3・1/400

 あ、そうそう、先月のスーパーGTではレンズのピントがずれてましたが、今回はシグマに調整してもらった成果が出ており、狙い通りにビシバシ合ってくれています。雨のフォーミュラはけっこう厳しいはずですが、物ともせずに追いかけてくれる。やはり機材のメンテナンスは大事ですね。

McLaren Honda MP4-30 / ジェンソン・バトン
600mm(トリミング有)・ ISO125・F7.1・1/200

 ジェンソン・バトンもラップを稼いでます。マクラーレン・ホンダは、今はとにかくラップを重ねる必要がありますよね。何をおいてもデータ。たくさんのデータが必要。
 アロンソ、バトンという元王者コンビに地味な仕事は似合わないですが、今は我慢の時……! 来年こそ反撃しましょう。

 さて本日最後は思い切りレタッチしたのを2枚。両方とも赤いマシン。マシンのパフォーマンスは対照的だけど……。

Manor Marussia F1 Team MR03B / アレクサンダー・ロッシ
600mm(角度調整有)・ ISO200・F7.1・1/400
Lightroomプリセット「Gritty-Daylight」適用

Scuderia Ferrari SF15-T / キミ・ライコネン
220mm(トリミング有)・ ISO100・F8・1/160
Lightroomプリセット「Cross Process Blue」適用

 マノー・マルシャは来年からメルセデスPUです。赤いカラーリングもシルバーになるのかも? フェラーリはレッドブルとトロ・ロッソにPU供給の可能性大。ここにきて、PUサプライヤー関連で色々動きが出てきましたね。来年の勢力図はどうなるか……。

 本日はここまで。続きはまた次回に。

コメント

このブログの人気の投稿

大洗へ ~ガールズ&パンツァー聖地巡礼~ 戦車編Part 1

フィットRS改造計画

鈴鹿でSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryを使ってみる