2015年F1開幕!

 3月13日、ついに2015年シーズンのF1が開幕しました。ここまで予選を終えて、やはり強さを見せているのはメルセデスAMG。前年度に引き続き、今年も圧倒的なパフォーマンスで他チームに差をつけています。
 ですが、それは開幕どころか昨年度からすでに予想されていたことで、さしあたって特筆すべきことではないでしょう。それよりも、今年の注目点は「どのチームがメルセデスに次ぐ2番手につけるのか」という点。ある意味でわびしい話ではあるものの、事実としてメルセデスに今年中に追いつくのは難しい。現実的には、シーズン終盤にかけていかにメルセデスに近づき、そして(今の内からそれを語るのもなんですが)来年度にメルセデスを崩せるか、その準備ができるかどうかが重要になってくるシーズンです。

 さて、開幕戦オーストラリアGP、アルバート・パーク・サーキットでの現在の様子からして、2番手に名乗りを上げているチームは2チーム。
 まず筆頭はメルセデスエンジンを搭載し、前年度からの好調を維持しているウィリアムズ。フェラーリから移籍して以降元気いっぱいなフェリペ・マッサが予選3番手につけており、今年も良いシーズンを送れそうな気配が伝わってきます。同僚バルテッリ・ボッタスはミスもあり6番手ですが、彼の速さは昨年証明済みなので、大筋では心配ないでしょう。

 そしてもう1チームは、前年度で屈辱のシーズンを過ごしたフェラーリです。2列目の前をマッサに抑えられたとはいえ、4番手にセバスチャン・ベッテル、5番手にキミ・ライコネンを並べ、どうやら復活の狼煙が上がることができそうな勢い。特にベッテルは昨年散々なシーズンだったため、跳ね馬復活と同時に彼も上り調子になるのであれば、レッドブルからの遺跡は大正解ということに。今年の台風の目になりそうで、真紅の跳ね馬ファンにとっても楽しみなシーズンです。


 で、そのレッドブルですが、こちらはどうにも暗雲漂う状況。うまくセッティングが決まらないという問題を抱えながらの開幕戦、メルセデス、ウィリアムズ、フェラーリに前を行かれたのはまぁ仕方ないとはいえ、サテライトチームのトロ・ロッソにまで抜かれそうなペースはかなりまずい。
 実際、最後のQ3でダニエル・リチャルドがかろうじてカルロス・サインツJr.の前に出たとはいえ、その差は僅差。Q1、Q2ではトロ・ロッソに届かなかった上に、ダニール・クビアトはQ2敗退という有様で、もしかすると決勝では負けてしまう可能性さえある。
 トロ・ロッソが近年稀に見る絶好調とも言えますが、やはりレッドブルが不調というべきでしょうか。なんだかんだで前年度に唯一メルセデスに土をつけたチームであるだけに、このままずるずるいくとも思えませんが、序盤は苦戦を強いられる展開が続くかもしれません。

 逆に好調トロ・ロッソは、若干17歳の少年ドライバー、マックス・フェルスタッペンがQ1でベッテルを上回るなど、瞬間的には素晴らしいパフォーマンスを見せていました。残念ながらQ2でドロップアウトしたとはいえ、若すぎるという下馬評を早くも覆しつつあります。やや影に隠れがちだったカルロス・サインツJr.も、堅実なドライブでこちらはQ3まで進出、あわやリチャルドを食うかの8番手をマークし、決勝に期待がかかります。

 メルセデス一強の様相が強い2015年シーズンですが、このように2番手争い以下は各所で激戦区となっており、大変内容の濃い、面白いシーズンになりそうです。モータースポーツファンは注目です。

 さて、そういった激戦区の話とは違ったところでの話題も多い開幕戦。なんといっても注目されていたのは、23年ぶりの体制となるマクラーレン・ホンダ。残念ながらヘレス、バルセロナとろくなテストができなかった上に、エースドライバーであるフェルナンド・アロンソを欠いた影響は大きく、Q1で両ドライバーとも敗退の結果です。決勝でどこまでザウバーに食い下がれるかというところですが、現実問題としてはまず完走を目指すというのが精一杯でしょう。この状況は開幕戦のみならず、シーズン中盤から終盤にかけてまで続くものと思われます。

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 ただし、これについては昨年の段階から「2015年度は厳しい」と言われていた予想通りの展開です。PUの研究こそしていたとはいえ、マシンに積んでの実走はやっと数ヶ月前に行ったばかり。勝つどころかポイントを目指すことも難しいのが当然で、今年度にいきなり上位に食い込むと思うのは、いくらなんでも期待しすぎと言えるでしょう。
 重要なのは来年度に繋がるレースができるか否か。マクラーレン・ホンダには周囲の雑音に惑わされることなく、着実に経験値を積み重ねて欲しいところです。
 もう一ついうならば、今回Q1でマークしたタイムは、ジェンソン・バトン、ケビン・マグヌッセン共に、昨年度の開幕戦でQ2に進出できるタイムです。もちろんレギュレーションの違いもありますが、まぁ参考までに。

 そして、レース外で話題を作ってしまったチームも。それが、ギド・ヴァン・デル・ガルデ(以下VDG)との契約問題で訴訟にまで発展したザウバーF1チーム。ドライバー契約を結んでおきながら、フェリペ・ナスルとマーカス・エリクソンとも契約してしまい、VDGを押し出してしまう格好となって、案の定訴えられて敗訴してしまいました。
 VDGのスーパーライセンスが開幕戦までに再発行されなかったために、アルバート・パークではナスルとエリクソンのドライブとなりましたが、次戦マレーシアでは裁判所の命令でVDGを乗せざるを得ず、そうなればナスルとエリクソンのどちらかを降ろさざるを得ず、そしてそのどちらかからまた訴えられるのは確実。
 いったいどうなってしまうのかわかりませんが、最悪の場合、シーズン中にチームが解散という事態に発展するかも……。
 F1の契約問題はルーズなところが意外に多いと言われますが、それにしたってこれはないだろうという状況。そのくらいコスト問題が重いということかもしれませんが、ザウバーはまずい手を打ってしまったように思います。

 とにもかくにも始まった2015年のF1サーカス。まずは明日の決勝を楽しみに。

 なお、予想はルイス・ハミルトン、ニコ・ロズベルグ、セバスチャン・ベッテルの表彰台ということで。当たるも八卦、当たらぬも八卦。でも1位2位は鉄板ですよねぇ……。

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