夏の思い出たち 鈴鹿8耐編 part.3

 鈴鹿サーキット最大のイベントと言えばF1日本GPであることは論を待たないと思われますが、鈴鹿で初めて開催されたのは四輪ではなく二輪のレース。そもそもホンダが最初に作ったのはオートバイでもありますから、むしろ二輪レースこそ鈴鹿本来の姿かもしれません。
 四輪、特にトップフォーミュラでは、そのチャレンジングなレイアウトこそドライバーたちから絶大な支持を受けているものの、ことオーバーテイクとなると「抜きどころがない」という評価なのが瑕に疵。

 しかし二輪であればコース全域がオーバーテイクポイント。S字だろうとスプーンだろうと、隙があればガンガン抜いていく。目まぐるしく変わるレースの状況は、参加者数の多さもあって、初心者にはなかなか把握しづらいほど。


Team KAGAYAMA / SUZUKI GSX-R1000
Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary
400mm(トリミング有)・ ISO100・F10・1/200


 まぁ、耐久レースというのはスプリントレースと違って、疲れたら席から離れて食事したり昼寝したりしながら、のんびり観戦するのが似合うイベントですから、四六時中ずっと把握している必要はあまりないんですけどもね。



 じりじりと照り付ける真夏の太陽の下、日陰にも入らずにずっと客席で耐えているのなんて、私を含む写真撮影組くらいなもんじゃないかな。
 135判のフラッグシップにでかい大砲みたいなレンズをつけてるガチ勢から、7D系に200~400㎜くらいの白レンズという定番勢、あるいはマイクロフォーサーズや高性能コンデジなどの機動力重視勢まで、いろんな写真好きがそこかしこで被写体を追っている。
 たとえば下の写真でマシンの向こう側に写っているのは1-2コーナーの激感エリアですが、ここはサーキットのカメラマンたちの最激戦区。パドックパスを買う最大の目的はここ!っていう人も多いでしょうね。


HOKKAIDO SABEDER 539soko.Platz.Furusato / Honda CBR1000RR
EOS 70D + 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary
250mm(トリミング有)・ ISO100・F9・1/200


 激感エリアのみならず、だいたいみんな似たような撮影ポイントに集まるので、マシンが横切るたび盛大に「パパパパパッ」というようなシャッター音があたりに響く。中にはワンショット命の人もいるでしょうけど、今どきのカメラならほとんど連写することでしょう。
 ずいぶん遠くからシャッターを押し始めて、通り過ぎるまでずっと押してる人もいれば、ここぞというときだけ押す人も。


CONFIA Flex Motorrad39 / BMW S1000RR
EOS 70D + 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary
400mm(トリミング有)・ ISO100・F10・1/160


 私は長いこと16GBのメモリーカード1枚で頑張っていたせいか、だいたい3~4枚くらいで離してしまいます。貧乏性です。今年から32GBのメモリーカードに、予備まで持参してるのにね。
 去年までは連写機能すらほとんど使いませんでした。例えばコーナーだと、進入時に1枚、旋回中に1枚、脱出時に1枚……という感じで自分でレリーズ。ストレートの流し撮りだと連写も使いましたが、一時期はこれすら自分でシャッター切ってましたね。連写するとメモリーカードがすぐいっぱいになっちゃいそうな気がして。
 まぁそれでなんとか撮れてたし、集中すればなんとでもなるのかも。むしろ最近はカメラの連写に頼りきりで、自身のスキルは下がったような気がしないでもない。でも便利なんだもの、大容量のメモリーカード。今どきは128GBくらいないと大容量とは言わないかもしれませんが。


Honda Blue Helmets MSC Kumamoto / Honda CBR1000RR
EOS 70D + 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary
600mm・ ISO100・F6.3・1/500


 人間は老化劣化退化するのに機材はどんどん進化する。そりゃまぁ楽に撮れるに越したことはないんですが、あんまり機械にばかり頼っていると、何かが減りそうな気がしないでもない。でも新しいカメラやレンズのニュースがあるとつい読んじゃうし、お高そうな機材を使ってる人がいるとちらちら見ちゃう。あんなの使ってみたらなんだかすごいのが撮れそうじゃない?みたいな。実際問題そんなことあるわけないんですが、まぁ人の物欲というのはだらしないものです。


手前:Team GREEN / KAWASAKI ZX-10R
奥側:PLUS ONE MCRT & TOM FLYBOARD JAPAN / KAWASAKI ZX-10R
EOS 70D + 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary
400mm(トリミング有)・ ISO100・F10・1/200


 翻って、目の前を走るバイクを見てみる。こちらもきっと高性能なバイクとそうでないのには、いろんな違いがあるんだろう。加速が違うとかコーナリング性能が違うとか。
 でも、車(やカメラ)よりもずっと、人間が操る領域の割合は多そうに見える。そう見えるだけで本当は違うかもしれませんが、見た感じはそう見える。
 2本しかないタイヤ、傾けて曲がるマシン、そんなもので時速200km超の競争するんだから凄い。


左側:Honda Ryokuyokai Kumamoto Racing / CBR1000RR
右側:CONFIA Syu Motorrad39 / BMW S1000RR
EOS 70D + 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary
400mm(トリミング有)・ ISO100・F6.3・1/500


 レーサーたちの前では、口が裂けても「いい写真が撮れないのは機材が悪いせいで〜」なんて言えませんね。「お前が下手なだけ」って、まぁ口には出さなくても絶対思われちゃう。
 何事も精進。一所懸命腕を磨こうと、クソ暑い炎天下のサーキットで思うのでした。


EVA RT TEST TYPE-01 TRICK STAR / KAWASAKI ZX-10R
EOS 70D + 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary
400mm(トリミング有)・ ISO100・F6.3・1/160
Lightroomプリセット「Arkham」適用

 今回はここまで。続きはまた次回に。

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