夏の思い出たち 鈴鹿1000km編 part.3
前回からの続きで、鈴鹿1000km編。
予選から一夜明けて決戦の日曜日。朝からあいにくの雨で、天気予報でも降水確率は一日中高止まり。こりゃ大変だと思いつつ、それでも家でテレビ観戦という選択肢も、撮影はやめて屋根の下で観戦という選択肢も採用せず、「雨のモータースポーツ写真!」という感じで意気揚々と家を出る。9月末にはF1ですし、もし雨が降った時のため用に買ったレインカバーも試したかったのでね。
あ、でも今回アップされている写真は、すべてPENTAX Q10と01 STANDARD PRIMEによるものです。レースの写真はまた次回以降に。
さて、観客数の多いスーパーGTのこと、かなり早朝に家を出まして開場30分くらい前には鈴鹿近辺にいましたが、それでもサーキットの駐車場は満車。しかたない民間に駐めるか、と考えましたが、その前にダメ元で南コースまで足をのばしてみることに。昨年だか一昨年だかはこちらの臨時駐車場もチケット制だったけれど、もしかするとそれ以外の人にも開放してるかも。どうせ決勝のスタートは午後からだし、時間はあるしということで行ってみたところ、ビンゴ、前売り駐車券なしで駐められました。
しかし、未だに不思議なのは、南コースへの道を入って行って誘導されたのが、西パドック駐車場なんですよね。他のお客さんは駐車場とは名ばかりの南コース上に誘導されてるのに、一体なぜ……。
しかも誰も集金にこないぞ。いやまぁ元々SMSC会員特典でタダで駐めさせてもらおうと思ってたから同じことだけど、なんだか落ち着かない。
それに同じ駐車場内にチームトレーラーとか競技車両みたいなのとか駐めてあるし……。
まぁ深くは考えまい。
とりあえず、寝不足で猛烈に眠かったため、車内で少し仮眠をとることに。1時間ほどサーキットから聞こえてくるFIA F4選手権のエンジン音を子守唄に、ぐーぐー寝てました。
そして起きたら少し小雨になっていたので、行動開始です。南コース臨時駐車場からだと、近いゲートは西ストレートゲート。でもこのゲートから入ると、雨でぬかるんだ道を歩かなきゃいけない。
重いカメラを背負ってるし、間違って転んで壊したらヤダな……と不安になったので、西ストレートゲートから入るのはやめて、正面ゲートへ向かうことに。遠いし時間はかかるけど、どうせ決勝までにはまだ何時間もあるし。
しかし途中で、まだ利用したことのないゲートを発見。デグナーゲートです。あまり人が来ないらしく、他にお客さんの姿は見えませんが、ゲートから覗いてみるとどうやら舗装路が続いているよう。へえこんなところから入れるのかと、係りの人に会員証を見せて入場です。SMSC会員は駐車場も無料なら、観戦も無料ですよ! まぁ年会費はかかるけど、私は年に何回も何回も来るので、だんぜん安く上がってます。
デグナーゲートから入ってしばらく歩くと、ダンロップコーナー席の裏手に来ました。F1の席で言うとE席の裏。なるほどここに出るのか。まだまだ知らないことが多いです。
さて入場したはいいけど、まだスタートまで3時間もある。何して過ごそうかと思いながらGPスクエア方面に向かって歩いていたところ、鈴鹿レーシングシアターが目に入る。ああ、そういえばここ入ったことなかった。時間はあるから入ってみようということで、入場券を買って観覧。
メインとなるコンテンツは、公式曰く「世界初の体感音響システム」を利用した、フォーミュラーカーレースの体感映像。正直これかなり面白かったです。
あらすじは、あるドライバーが世界初の日本人ワールドチャンピオンをかけて鈴鹿での日本GP決勝に挑む……というもの。映像はそのドライバーの視点から見たF1レースです。映像や音の迫力、スピード感が素晴らしい。動く席や吹き付ける風、ミストなどの効果もあって、臨場感は最高です。さすがに映像は誇張されてるとは思いますが、「こんなスピードでコーナー攻めるの!?」「この速度域でホイール・トゥ・ホイールのバトルするのか……」と、圧倒されっぱなし。
それにストーリーがね、日本人初のワールドチャンピオンって……。それはもうみんなの夢だから、気持ちが入っちゃうよね。現実問題、そんなのいつになるか、本当に実現できるのかわからないけど、本当にそうなったらどんなに素敵なことか。思わずグッときます。
メインシアターの後は、展示物の観覧です。シアターから出てすぐには、有名F1ドライバーたちのサインがずらり。中には「この面子の中で浮いてないか?」と思うようなのもいるにはいますが、まぁご愛嬌。
おお、ミハエル……。赤い皇帝はいまだ復活の報が届きませんが、彼なら必ずや再び元気な姿を見せてくれると信じています。
サイン集の次は、ドライバーのお仕事を追体験できるコーナー。実際の重さにしたステアリングやら、フォーミュラマシンのカーボンウィングやら、あるいは何種類かのドライビングシミュレーターゲームなど。
私がびっくりしたのはステアリングの重さですね。油圧なのでコーナーでの反発が強いのはわかりますが、もう「こんなに重くなるの!?」と……。こんな重いのを延々300kmも回すとか、それだけでものすごい重労働。高速コーナーの多いスパ・フランコルシャンとかきっついだろうなぁ。
いちおうパワーステアリングにはなっていて、それも一般車とは違い「ステアリングが戻ろうとするのを抑える」働きをするらしいので、一度切ってしまえばそれなりにサポートはしてくれるらしいですが……それにしたって、ねえ。
あ、ちなみに静止時は逆にめちゃくちゃ軽いらしいです。フォーミュラマシンの重量自体が軽いので。
それと、フォーミュラマシンの実物大模型があって(横1/3がカットされてますが)座れるんですが、これもなかなか。想像していた通りの視点の低さ。ステアリングが目の前だし、視界の半分くらいはフロントノーズだし、こんなんでよく運転しますね彼らは。
逆に着座時の姿勢は思ったよりつらくないんですね。背もたれが寝てる座椅子に腰掛けてるみたいな……。体にフィットしてるからずり落ちそうにもならないし、なかなか座り心地は悪くない。意外な発見。
最後の展示はレジェンドF1マシン。第1期、第2期のF1マシンから3台が展示されてます。さすがに第1期をリアルで見ていた日本人なんて、ホンダ関係者とかよほどの金持ち好事家くらいしかいないはずですが(当時はテレビ中継も日本GPもありませんでしたし)、それでも50年前に作られた日本初のF1マシンを見ていると、「ここから始まったんだなぁ……」という感慨は確かに湧いてきます。本田宗一郎率いる本田技研の精鋭たちは、どんな想いで世界に挑戦したんでしょうね。
まぁでもやっぱり、日本人になじみが深いのはウィリアムズ・ホンダからでしょう! 1987年に始まった日本のF1全戦中継、その初年度にホンダがエンジンを供給し、しかもドライバーズ、コンストラクターズ共に制したのがウィリアムズ・ホンダだったんだから(ドライバーズチャンピオンはネルソン・ピケ)。
なお、この年のランキングを見ると、ドライバーズ1〜3位まで全てホンダエンジンチームのドライバー。コンストラクターズも1、3位がホンダエンジン。ついでに日本人初のF1ドライバー中嶋悟も参戦してた(同僚はアイルトン・セナ)。
こんなのを全戦中継初年度から見せられたら、そりゃ熱狂しますよね。
実際のところホンダのシリーズ制覇自体は前年度86年からですが、この時はダイジェスト放送しかしてなかった。86年まで放映権を持っていたのはTBSだったんですが……彼らももったいないことしたなぁ。
それにしても、どうせなら第3期のB・A・Rとかスーパーアグリのマシンも1台飾ればいいのに。そうすれば、1・2・3期で時代の流れになるのにな。そこらへんは何か大人の事情でしょうか。
レーシングシアターの観覧はこれで終わり。次は昼食を摂っていよいよ決勝。
今回はここまで、続きはまた次回に。
予選から一夜明けて決戦の日曜日。朝からあいにくの雨で、天気予報でも降水確率は一日中高止まり。こりゃ大変だと思いつつ、それでも家でテレビ観戦という選択肢も、撮影はやめて屋根の下で観戦という選択肢も採用せず、「雨のモータースポーツ写真!」という感じで意気揚々と家を出る。9月末にはF1ですし、もし雨が降った時のため用に買ったレインカバーも試したかったのでね。
あ、でも今回アップされている写真は、すべてPENTAX Q10と01 STANDARD PRIMEによるものです。レースの写真はまた次回以降に。
さて、観客数の多いスーパーGTのこと、かなり早朝に家を出まして開場30分くらい前には鈴鹿近辺にいましたが、それでもサーキットの駐車場は満車。しかたない民間に駐めるか、と考えましたが、その前にダメ元で南コースまで足をのばしてみることに。昨年だか一昨年だかはこちらの臨時駐車場もチケット制だったけれど、もしかするとそれ以外の人にも開放してるかも。どうせ決勝のスタートは午後からだし、時間はあるしということで行ってみたところ、ビンゴ、前売り駐車券なしで駐められました。
しかし、未だに不思議なのは、南コースへの道を入って行って誘導されたのが、西パドック駐車場なんですよね。他のお客さんは駐車場とは名ばかりの南コース上に誘導されてるのに、一体なぜ……。
しかも誰も集金にこないぞ。いやまぁ元々SMSC会員特典でタダで駐めさせてもらおうと思ってたから同じことだけど、なんだか落ち着かない。
それに同じ駐車場内にチームトレーラーとか競技車両みたいなのとか駐めてあるし……。
西パドック駐車場にて カーナンバー31はaprプリウスだけど…… |
まぁ深くは考えまい。
とりあえず、寝不足で猛烈に眠かったため、車内で少し仮眠をとることに。1時間ほどサーキットから聞こえてくるFIA F4選手権のエンジン音を子守唄に、ぐーぐー寝てました。
そして起きたら少し小雨になっていたので、行動開始です。南コース臨時駐車場からだと、近いゲートは西ストレートゲート。でもこのゲートから入ると、雨でぬかるんだ道を歩かなきゃいけない。
重いカメラを背負ってるし、間違って転んで壊したらヤダな……と不安になったので、西ストレートゲートから入るのはやめて、正面ゲートへ向かうことに。遠いし時間はかかるけど、どうせ決勝までにはまだ何時間もあるし。
しかし途中で、まだ利用したことのないゲートを発見。デグナーゲートです。あまり人が来ないらしく、他にお客さんの姿は見えませんが、ゲートから覗いてみるとどうやら舗装路が続いているよう。へえこんなところから入れるのかと、係りの人に会員証を見せて入場です。SMSC会員は駐車場も無料なら、観戦も無料ですよ! まぁ年会費はかかるけど、私は年に何回も何回も来るので、だんぜん安く上がってます。
デグナーゲートから続く道 やや遠回り気味だけど道は平坦で歩きやすい |
デグナーゲートから入ってしばらく歩くと、ダンロップコーナー席の裏手に来ました。F1の席で言うとE席の裏。なるほどここに出るのか。まだまだ知らないことが多いです。
さて入場したはいいけど、まだスタートまで3時間もある。何して過ごそうかと思いながらGPスクエア方面に向かって歩いていたところ、鈴鹿レーシングシアターが目に入る。ああ、そういえばここ入ったことなかった。時間はあるから入ってみようということで、入場券を買って観覧。
メインとなるコンテンツは、公式曰く「世界初の体感音響システム」を利用した、フォーミュラーカーレースの体感映像。正直これかなり面白かったです。
あらすじは、あるドライバーが世界初の日本人ワールドチャンピオンをかけて鈴鹿での日本GP決勝に挑む……というもの。映像はそのドライバーの視点から見たF1レースです。映像や音の迫力、スピード感が素晴らしい。動く席や吹き付ける風、ミストなどの効果もあって、臨場感は最高です。さすがに映像は誇張されてるとは思いますが、「こんなスピードでコーナー攻めるの!?」「この速度域でホイール・トゥ・ホイールのバトルするのか……」と、圧倒されっぱなし。
それにストーリーがね、日本人初のワールドチャンピオンって……。それはもうみんなの夢だから、気持ちが入っちゃうよね。現実問題、そんなのいつになるか、本当に実現できるのかわからないけど、本当にそうなったらどんなに素敵なことか。思わずグッときます。
メインシアターの後は、展示物の観覧です。シアターから出てすぐには、有名F1ドライバーたちのサインがずらり。中には「この面子の中で浮いてないか?」と思うようなのもいるにはいますが、まぁご愛嬌。
セバスチャン・ベッテルのサイン |
ミハエル・シューマッハーのサイン |
おお、ミハエル……。赤い皇帝はいまだ復活の報が届きませんが、彼なら必ずや再び元気な姿を見せてくれると信じています。
サイン集の次は、ドライバーのお仕事を追体験できるコーナー。実際の重さにしたステアリングやら、フォーミュラマシンのカーボンウィングやら、あるいは何種類かのドライビングシミュレーターゲームなど。
私がびっくりしたのはステアリングの重さですね。油圧なのでコーナーでの反発が強いのはわかりますが、もう「こんなに重くなるの!?」と……。こんな重いのを延々300kmも回すとか、それだけでものすごい重労働。高速コーナーの多いスパ・フランコルシャンとかきっついだろうなぁ。
いちおうパワーステアリングにはなっていて、それも一般車とは違い「ステアリングが戻ろうとするのを抑える」働きをするらしいので、一度切ってしまえばそれなりにサポートはしてくれるらしいですが……それにしたって、ねえ。
あ、ちなみに静止時は逆にめちゃくちゃ軽いらしいです。フォーミュラマシンの重量自体が軽いので。
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レーシングマシンのステアリングホイール重量体験 めちゃくちゃ重い! |
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フォーミュラマシンのウィング めちゃくちゃ軽い! |
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鈴鹿サーキットコース図 何人か美化されてる人がいますね? |
それと、フォーミュラマシンの実物大模型があって(横1/3がカットされてますが)座れるんですが、これもなかなか。想像していた通りの視点の低さ。ステアリングが目の前だし、視界の半分くらいはフロントノーズだし、こんなんでよく運転しますね彼らは。
逆に着座時の姿勢は思ったよりつらくないんですね。背もたれが寝てる座椅子に腰掛けてるみたいな……。体にフィットしてるからずり落ちそうにもならないし、なかなか座り心地は悪くない。意外な発見。
フォーミュラマシンのシートからの視点 この視界で運転するとかすごいな |
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いろんなゲームがあります どれも大人気 |
最後の展示はレジェンドF1マシン。第1期、第2期のF1マシンから3台が展示されてます。さすがに第1期をリアルで見ていた日本人なんて、ホンダ関係者とかよほどの金持ち好事家くらいしかいないはずですが(当時はテレビ中継も日本GPもありませんでしたし)、それでも50年前に作られた日本初のF1マシンを見ていると、「ここから始まったんだなぁ……」という感慨は確かに湧いてきます。本田宗一郎率いる本田技研の精鋭たちは、どんな想いで世界に挑戦したんでしょうね。
第1期ホンダF1マシンのうちの1台、RA273 18号車はアメリカ人ドライバーのリッチー・ギンサーがドライブ |
まぁでもやっぱり、日本人になじみが深いのはウィリアムズ・ホンダからでしょう! 1987年に始まった日本のF1全戦中継、その初年度にホンダがエンジンを供給し、しかもドライバーズ、コンストラクターズ共に制したのがウィリアムズ・ホンダだったんだから(ドライバーズチャンピオンはネルソン・ピケ)。
第2期ホンダF1マシンのうちの1台、ウィリアムズ・ホンダ FW11B 5号車をドライブしたのは"荒法師"ナイジェル・マンセル |
なお、この年のランキングを見ると、ドライバーズ1〜3位まで全てホンダエンジンチームのドライバー。コンストラクターズも1、3位がホンダエンジン。ついでに日本人初のF1ドライバー中嶋悟も参戦してた(同僚はアイルトン・セナ)。
こんなのを全戦中継初年度から見せられたら、そりゃ熱狂しますよね。
実際のところホンダのシリーズ制覇自体は前年度86年からですが、この時はダイジェスト放送しかしてなかった。86年まで放映権を持っていたのはTBSだったんですが……彼らももったいないことしたなぁ。
第2期ホンダF1マシンのうちの1台、ジョーダン・ホンダ EJ11 11号車はハインツ=ハラルド・フレンツェンとヤルノ・トゥルーリがドライブ |
それにしても、どうせなら第3期のB・A・Rとかスーパーアグリのマシンも1台飾ればいいのに。そうすれば、1・2・3期で時代の流れになるのにな。そこらへんは何か大人の事情でしょうか。
レーシングシアターの観覧はこれで終わり。次は昼食を摂っていよいよ決勝。
今回はここまで、続きはまた次回に。
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