その先にある、輝けるもの


 仕事が忙しくてブログの更新が滞っていましたが、今日から何とかお休みをいただけたので、溜まっていた色々を片付けていきたいです…。



 さて今回のフィギュア全日本選手権大会の女子フリー、文句なしの優勝は浅田真央ですが、個人的に最優秀選手だと思うのは安藤美姫です。

 終盤に入りかけた際のトリプルフリップで転倒、その際に肩を痛めたのか苦しげに演技が停まった場面があり、その時点でもはや優勝どころか表彰台、あるいは演技の継続すら危ういかと思われましたが、そこからの巻き返しが凄まじかった。

 特にステップワーク。安藤のステップは女子では全盛期の荒川静香に匹敵するレベルに達していると思うのですが、今回はそれがいつにも増してキレが良かった。あるいはかつての佐藤有香ですら、これだけスピーディなリズムをこの完成度で刻めたか。

 その上、上体の演技もおざなりになるどころかますます大きく早く、ラストのスピンに至るまで負傷の影響など微塵も感じさせない、すばらしい演技を魅せてくれました。

 アクシデントに泣かされた演技とはいえ、私個人は、少なくとも今期の安藤の滑走の中で最も素敵な演技だと思っています。



 …よくジャンプで転倒した際、実況や解説の人が「気持を切り替えて~」などというコメントをしますが、今日の安藤は切り替えるどころか、悔しい気持を抱いたまま、その逆境をエネルギーに変換して滑走しているかのような、そんな気迫を感じました。

 技術や努力、あるいは才能といったものだけでは到達し得ない、すべてを包含してさらにその先に輝く何かを、今日の安藤は確かに手にしていた。残念ながら表彰台の頂点は逃したものの、これからの競技人生において、何よりも大事なものを全身で掴み取ったのではないでしょうか。

 次回の滑走がとても楽しみです。



2006年12月29日




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