時代の風は


 新宿で男性の切断遺体が見つかったそうですね。どこの推理小説ですか、と聞きたくなるような事件です。全国各地で似たような切断死体が見つかって、いずれもある箇所が欠損しているというような展開なら、リアル「占星術殺人事件」(島田荘司)だなっと。ああ、不謹慎。

 その内、コメンテーターとして、ミステリマニアですら聞いたことのないような"推理作家"の人が、なんやかやとコメントするんでしょうか。…かといって、二階堂黎人さんとか西澤保彦さんが出張ってきても目が点になっちゃいますが。



 さて、フィギュアスケートGPファイナルがテレビ放映されてました。実はF1や格闘技よりも前からフィギュアを観ている口なので、放映していれば必ずチェックしています。会場にこそ行ったことはありませんけどね。

 とりあえず、日本人選手が高橋大輔、織田信成、村主章枝、安藤美姫、浅田真央の5人。あと、日本ではなくアメリカ選手としてのエントリーですが、ペアで井上怜奈もいますね。

 日本勢が多いなー。それに上位を狙える選手がとても多くなった。特に男子は、ちょっと前までは本田武史、あるいはもっと前なら鍵山正和くらいなものでしたが、いまなら高橋、織田のツートップに加えて小塚崇彦もいる。層が厚くなったし、あらゆる大会で上位に入れるんじゃないかという期待を抱かせるに充分な存在感もある。まぁ、一昔前のように、男子フィギュアの上位はスーパースターがズラリ、という状況ではないこともあるのかもしれませんが。

 なんにせよ、このままの調子で3人とも成長していけば、次回オリンピックでのメダルも夢ではないかもしれません。今大会でも高橋大輔が、ステップが一箇所だけ乱れたかなー、という以外はほぼ完璧な演技でショートプログラム2位につけていますし。フリーの演技如何によってはトップも狙えます。織田信成は少々がんばりすぎて転んでましたが、それでもまだ3位は狙える圏内です。

 男子でこれだけ期待できるようになるとは、昔は夢にも思いませんでしたね…。

 さて、女子の方では、下馬評通り浅田・安藤がそれぞれ1位、2位につけてます。正直なところ、浅田はだんだん沈んでいくんじゃないかなと思っていました。身体が小さく、軽かったジュニア時代に比べ、最近は背も伸びて重くなりつつあったはずなので、きっとジャンプが跳べなくなるだろう、一時期の安藤のように…そう思っていました。が、跳べてますね、ちゃんと。素直にびっくり。筋肉が成長に追いついているということでしょうか。よほど良いトレーニング環境が整備されているのか、それとも本当に彼女は天才の一員なのか。演技自体もほぼ完璧な内容で、ケチのつけようがない。

 対する安藤の演技も、こちらもハイレベルにまとまっていましたが、結果は届かずの2位。スパイラルシークエンスがいつもに比べて若干見劣りしたのと、コンビネーションジャンプの出来栄え加減が少し浅田に後れを取ったかなというのが理由かなぁ。素人の私見ですがね。

 しかし、この二人よりむしろ話題にしたいのは、村主章枝のキレのない演技。ジャンプは失敗、ステップワークにいつもの情感が出ていない、スピンにもオーラがない…。本当に村主かと疑いたくなるような有様で、もう年齢的にだめなのかと思ったくらいです。もっとも、後で聞いたところによると、渋滞に巻き込まれたあおりでロクにウォームアップもできなかったそうで、それなら不運としか言いようがないですが…。でも、悲観的なことを考えれば、運に見放されるのはアスリートとして最大の致命傷。時代の風はもう村主には吹かないのだと、そんな予感すら抱かせます。この瞬間が運命の女神に見放された瞬間でないことを祈るばかりですが、どうなることでしょうか。

 とりあえずは、明日のフリーを待つことにしましょう。



2006年12月17日




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