歴史が変わる瞬間 ~Test Drive Unlimited~


購入するクルマ選びに悩んでます。

つい最近悩みに悩んだ車種は以下の通り。



Ascari KZ1

Farbout Supercharged GTS Prototype 2005

Noble M400

Ferrari F430

Lamborghini Gallard SE



いかにも、というのはやっぱりフェラーリかランボルギーニですが、お金が貯まったからと言っていきなりそれでは成金っぽいし、なんだかワンパターン。とすると、アスカリ、あるいはノーブル? 知名度は低いけど、スーパーカーとしての性能は充分。でも、カタログスペック上では、フェラーリの方がハンドリングが高性能…。



なんて、どこの金持ちだ貴様、と言うような感じですが、もちろん現実の話ではないです。4月26日についに発売された、Xbox360用ソフト「Test Drive Unlimited」(アタリジャパン)です。

今年は正直この一本さえあれば後はオマケか、と言うほど期待していたタイトルです。内容はレースゲームに似て非なるモノ。ハワイはオアフ島をゲーム空間に完全再現し、プレイヤーは島の中を自由気ままにドライブすることが可能。基本はオンラインベースで、島の中には他のオンラインプレイヤーが、やはり同じようにそれぞれのペースでドライブをしており、その人たちに勝負を挑むのも可、のんびりツーリングするのも可、あるいは、オフラインのミッションに励むのも可という、いわばレースゲーム版、MMO RPG(公式見解では、M.O.O.Rなんだそうな)。これまでのレースゲームの常識を根底から覆した、今考えられる最先端のドライブゲームです。こういうのを待っていたぜ。



常々、レースゲームはいったいどこへ行くんだろうと、そんなことを考えてました。グランツーリスモが登場してからこっち、何を勘違いしたのか「挙動のリアルさ」がレースゲームの面白さだというような風潮が蔓延してましたが、それがどうしても納得できなかった。



違うんだ、レースゲームの面白さはそう言うところにはない。だってゲームなんだぜ? なんで現実のクルマと同じ動きをするマシンを操らなければいけない? それだったら、たとえ軽自動車であっても、本物を運転した方が面白いじゃないか。



もちろん、そう言ったゲームが残してきた「財産」は否定しない。培われた技術が新たな扉を次々と開いていったこともよく判っている。

しかし、それでも、「ゲーム」として面白いのは、あくまでも"アンリアル"なんだと思う。非現実の世界を疑似体験できるから、ゲームは現実を越えるんだと。

このまま、レースゲーム=リアルドライブになっていくのなら、もうレースゲームをやる必要はないな…と、かなり悲観的になっていたここ数年。面白かったモノと言えば、せいぜい「ニードフォー・スピード」シリーズくらいなものだった。



そこに「テストドライブ」ですよ。

これは、"リアル"と"アンリアル"をきわめて幸福な形で結実させた、ほとんど奇跡のような作品です。



再現されたオアフ島の街並みはどこまでも現実的で、また、登場するマシンは全て実在のメーカーの型式であり、静止グラフィックの再現度も申し分なくリアル。そこまでなら、これまでのリアルゲームとそう変わりはない。

しかし、テストドライブが作品世界に持ち込んだのは、それよりもさらに先にあるリアル。それは、フィールド上に存在する他プレイヤー。そして、彼らが自分と共に織り上げていく、オアフ島でのカーライフそのもの。

のんびり走っていたら突然背後から煽られたり、なんとなく他プレイヤーの近くに停車したらそのまま二人でロングツーリングしちゃったり、同一車種のクルマが集まったからじゃあレースするかみたいなノリもありと、オンラインフィールドならではの出来事が、そこら中に転がっている。

車を運転し、チューニングし、レースで勝つ。ただそれだけだったレースゲームに、テストドライブは「生活」、そして「交流」の要素を持ち込んだわけです。NPC相手では決して味わえない、生の人間たちの息吹すら感じられる圧倒的な生活感と世界観。これが、テストドライブという作品だけが到達し得た、新次元のリアルです。

加えて、そのリアルさを良い意味で緩和する、ほどよいアンリアルさが実に心地よい。静止画のグラフィックのリアルさとは打って変わってムチャな挙動をするマシンといい、クルマの代行運転をしただけで15万ドルももらえてしまうカッ飛んだ金銭感覚といい、トラックに正面衝突しようが海に沈もうが次の瞬間には道路に復帰している超絶タフネスなプレイヤーキャラといい、ただ走っているだけでも笑いが止まらない。

さらに、走行可能な範囲がこれまた凄い。というか、走行不能な範囲が基本的には存在しない。川と海、すなわち水の上と、建物の中以外であれば、全てのフィールドを走行可能。山間部の森の中、道すら存在しない完全な自然森林の中をフェラーリで爆走することだってもちろん可能。うっそうと茂った木々の中をトライアンフで直進すれば、気分はもはや特攻隊長。しかも、そんな場所に限って他のプレイヤーがひょっこり現れたりするもんだから、なんともはや。



ファミコンの時代からリアルタイムでゲームの成長につきあってきた筆者。そのときどきで、"歴史を変えた"作品に何度も出会いましたが、この「Test Drive Unlimited」も、まさに"歴史を変えた"一作であると断言できる。

その可能性は文字通りアンリミテッド。新たなレースゲームの歴史の第一歩となる作品世界がここにある。






ちなみに、冒頭で迷っていたクルマですが、いろいろと試乗(これぞテストドライブ(笑))したりした結果、Ascari KZ1に決定。

Noble M400の方が車両重量は軽いし加速もいいのですが、いかんせん馬力にたいして軽すぎるのか全体的なグリップが不足してます。特にフロントのグリップ不足は壊滅的で、かなり強くブレーキングしても曲がらない。同じくFarbout Supercharged GTS Prototype 2005も軽すぎるのか、こちらはリアのトラクションが低すぎて、ちょっとのアクセルオンで猛烈ホイールスピン。

まぁじゃじゃ馬も嫌いじゃないですが、Bクラスのレースに使いたかったのでね。今回はもっとも素直なドライブフィールだったAscari KZ1の前に涙をのんでもらいました。

なお、Ascari、Farboud、Nobleですが、日本での知名度は全くないものの、やはり実在のスポーツカーメーカーです。3つとも90年代以降の創立なので、まだまだ新興ですけどね。うーん、現実世界でもお金があったら、ぜひKZ1にのってみたいですね(笑。

フェラーリはF430ではなく、もっとお金を貯めてEnzo Ferrariを買おうかなと。ランボルギーニについては、お金に余裕ができたら、ミウラかカウンタックでもう一回選ぼうと考えてます。



2007年5月1日



P.S

ところで…、べた褒めのテストドライブですが、一点だけ、どうしても気にくわないてんがあります。



それはね…



ポルシェがなーい!



ってこと。



レクサスを入れる余裕があったら、ポルシェ入れてよアタリさん。ダウンロードコンテンツでポルシェでないかなぁ…。




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