続・大洗へ ~ガールズ&パンツァー聖地巡礼再び~ キャラクター編 Part 7

 前回に引き続き、続・ガールズ&パンツァー聖地巡礼シリーズです。巡礼で撮影してきた写真をネタに書いていきます。

22. 五十鈴華:大洗女子学園あんこうチーム(味の店たかはし


 味の店たかはしさんには華さんが。こちらは旧パネルのまま。あんこうチームの面々は他の娘たちもみんな旧パネルでしたね。
 こちらのお店でみつだんごを食べる予定だったんですが、すっかり忘れていて、それも心残りの一つ。前回も疲労で食べられず、みつだんごが遠いです。



 劇場版での華さんは、何と言っても新三郎との電話での台詞でしょう。「どこでも花は咲けるわ。心がしおれない限り」は、前後の背景を考慮しなくても素晴らしい言葉です。
 TV版からずっとそうですが、華さんの精神の強さは、作中キャラの中でも屈指のものですよね。上級生に脅されようと、親から勘当を言い渡されようと、こうと決めたら絶対に曲げない。自分自身も先の見えない霧の中にいたはずなのに、その先のかすかな予感だけを頼りに、信じた道をまっすぐ歩み続ける。その心の強さが、TV版ではみほの意識を変えるきっかけのひとつになったし、ストーリーを通じて、格上の選手と戦車を何度も撃破する原動力にもなった。
 対大学選抜戦、最後の広場での戦いの時、みほが華さんの肩にそっと手を置くシーンがありました。あのシーンに、みほの華さんに対する信頼が凝縮されている気がして、何度見ても胸が熱くなります。
 上記に限らず、華さんが映るシーンは、名場面であることが非常に多いですよね。



23. ホシノ:大洗女子学園レオポンさんチーム(カジマ


 レオポンさんチームの砲手・ホシノはカジマさんにいます。こちらは新旧パネル揃ってます。



 全体的な雰囲気は変わりませんが、中性的なキリッとした感じの旧パネルに比べると、新パネルは少し女性っぽい表情になったかも? なお、旧パネルは少し奥まったところに設置されていました。

手前にちょっと写っているのは店員さん


 夕方くらいに伺ったんですが、カジマさんはお惣菜屋さん(カニ中心なのだとか)なので、ちょうど少し混んでる時間帯でした。お惣菜もけっこう売れてるみたいで、厨房も忙しそう。
 手作りの物のみならず、ガルパンコラボの商品も置いてあります。買ってきたのはこちら、ミリメシ。



 まだ食べてません。というよりいつ食べるのが正解かよくわかりません(笑)。これを正しく食べるためだけに、どこかキャンプにでも行く? 結構ずっしりしているので、ボリュームたっぷりなのかも。



 劇場版でもポルセティーガーの砲手として、相手車両をガンガン撃破してくれてますが、そこよりも印象的だったのは「学園艦GPの夢が……!」の台詞でした。なんでかというと、ホシノの名前の由来となった"日本一速い男"星野一義と、F1日本GPの関係が想起されるから。

 星野一義は70年代から足掛け20年にわたって、日本モータースポーツ界のトップドライバーとして名を馳せた名ドライバー。後輩の中嶋悟に比べてF1の印象の薄い彼ですが、実は中嶋にさかのぼること10年前に、国内初のF1GPである76年日本GPに参戦したドライバーの一人だったが星野です。
 76年日本GP(正式には「F1世界選手権イン・ジャパン」)、77年日本GP(こちらはちゃんと日本グランプリ)に出場し、76年の際には3位圏内を走行するなど、後に日本一速い男と言われる走りを、初めてF1を生で見る当時の日本人たちに見せた星野一義。しかし、そのリザルトは、76年は27周リタイヤ、77年は11位のポイント圏外というもの。日本人初のF1入賞、日本人初の日本GP入賞は、共におよそ10年後の中嶋悟まで待たねばなりませんでした。しかし、星野や他の日本人ドライバーたちが走ったその姿が、国内モータースポーツに与えた勇気は計り知れない。
 星野一義にとって、F1はわずか2回スポット参戦しただけのカテゴリにすぎません。しかし、世界最高峰の4輪レースシリーズの日本初開催は、間違いなく当時の国内モータースポーツの一大事件であり、その現場にドライバーとして居合わせた星野は、日本モータースポーツ界にとっての"夢"の体現でもあった。まだ日本にF1というスポーツが浸透する前の、知る人ぞ知る夢。それを、星野一義は背負って走っていた。

 そして、ガルパンのホシノです。かつて国内モータースポーツの夢を背負って、日本GPを走った星野一義、その名を由来とするホシノが、学園艦でモータースポーツのイベントを開催することが夢だと口にする。場面が場面なので一瞬で流される台詞ですが、モータースポーツファンにとっては、ニヤリとさせられるシーンでしたね。
 70年代に星野一義が走った日本GPの歴史は、その後の紆余曲折で10年ほど途絶えることになりますが、それでも、彼が仲間たちと日本モータースポーツ史に刻んだ一歩は、後のF1フィーバーにつながる第一歩であったことは確か。
 ホシノたち自動車部がいつか刻むであろう、大洗女子学園艦でのグランプリ第一歩が、その後どのような発展を見せるのか。それは当然ガルパンの作中では描かれませんが、きっと彼女たちの想像を超えた、大きなうねりになっていくんだろうなあと、そんなふうに思います。

24. カエサル:大洗女子学園カバさんチーム(加藤とうふ店)


 カバさんチームのたかちゃんことカエサルは、加藤とうふ店に。こちらは新パネルですね。



 前回来た時もそうですが、店員さんがいない……。いや奥にいるのかもしれませんが、店頭にいない。油揚げがあれば買おうかとも思っていたんですが、写真にちょっと写っている通り、カゴがぜんぶ空。売り切れのようです。そりゃ豆腐店なので、なかなか在庫持てないですよね。次はもっと朝早く来たいところ。



 OVAからアンツィオのひなちゃんことカルパッチョとの友情を見せてくれているカエサル。劇場版では直接の絡みはほとんどないですが(名前を呼んだくらい)、エキシビジョンマッチでも対大学選抜戦でも、カルパッチョからの影響を受けた戦術を取り入れてましたね。ナポリターンはさすがに無理がありましたが、マカロニ作戦ツヴァイは大成功。学校外にお互いを高め合える友達がいるというのは、良いものですね。

25. 磯部典子:大洗女子学園アヒルさんチーム(鳥孝商店


 バレー部長・磯部典子キャプテンは、鳥孝商店さんにいます。こちらは新パネルと旧パネルが両方。



 新パネルは、今まさにボールを打とうとしているポーズ。多くのパネルの中でも2枚しかない「背中が見えるパネル」のうちの1枚です(あと1枚は蝶野教官)。



 前回来た時は、お店で売ってる唐揚げを「また後で食べにきます」と言ったきり、猛暑にバテて結局食べに行かなかったという心残りがあったので、今回ようやくそれを果たすことができました。味しかったです。今回は寒風吹きすさぶ中でしたが(笑。



 劇場版でも全体的にはいつもの熱血キャプテンですが、いちばん印象的だったのはそこではなく、旧校舎へと向かうバスの中での姿です。
 もう、めっちゃ落ち込んでましたもの。前日の夜は、暗くなりがちなメンバーをバレーに誘ったりして、なんとか景気付けようとしていた彼女が、もうそんな気力もありませんといった風情で、だらーっともたれて、うつろな顔して。いつもの彼女との落差がものすごくて、初見からたいへん印象に残ったシーンでした。
 あの姿があったから、旧校舎の校庭で声を張り上げる姿に、やっぱり無理してるのかな……と、いつもなら彼女に対して絶対思わないであろう感想を抱いたりもしました。
 それは他のメンバーも同じ。大学選抜戦を伝える会長に、やや不安げな表情を浮かべるんですよね、バレー部チームは。「本当に? 信じていいの?」というような表情を。あの事件は、いつも元気で能天気な彼女たちですら、元気を奪ってしまっていたんだなと、バスの中での姿と体育館での姿から察することができる。
 そんな状態でも、「暑いけど頑張ろう!」とメンバーを励まし続けるキャプテンは、本当にスポーツ少女の鑑です。思えばバレーボール部ではただひとりの二年生。身体はちっちゃいけど、それでも彼女は部内唯一の上級生なんですよね。もしかすると、「私が落ち込んでたらダメだ!」という責任感も、そこにはあったかもしれない。
 振り返ってみれば、そもそも廃部を告知されたバレーボール部を、それでも「いつか必ず」と引っ張ってきたのが磯部キャプテンです。悔しい思いもうまくいかない焦りもあったことでしょう。でも、彼女はへこたれずに、あるいはへこたれてもなお立ち上がって頑張ってきた。
 普通だったら、廃部を告知された部活に残るメンバーなんかいないのに、3人も彼女についてきているのは、きっと、キャプテンのそんな姿に心打たれるものがあったからではないでしょうか。

26. ダージリン:聖グロリアーナ女学院(肴屋本店


 ダー様ことダージリンは割烹旅館「肴屋本店」に。こちらは新パネルと旧パネルが両方。



 旧パネルでも魅力的ですが、新パネルではダー様といえばこれ!とばかりに紅茶を嗜んでおられます。きっとダージリンティー。

こちらは旧パネル


 ちなみにここ、いっつも満室で部屋が取れません(笑)。大人気です。いつか泊まってみたいですが、いつになることやら……。



 劇場版では初っ端の台詞に始まり、序盤中盤終盤と、全域にわたってオイシイところを持って行き続けるという、脇役にはあるまじき離れ業を演じているダージリン。ついでに、作中唯一の「(対戦した中では)大洗女子学園に負けたことのないチーム」の隊長でもある。さすが伝統ある聖グロリアーナの隊長を務めるだけのことはある。
 彼女のみならず、他校の生徒にしても、隊長はみんな相当の傑物揃いですよね、ガルパンは。黒森峰の西住まほや、大学選抜の島田愛里寿はもちろん、サンダースのケイ、アンツィオのアンチョビ、継続のミカ、プラウダのカチューシャ、大洗なら西住みほと、あと隊長ではないけど角谷杏。みな方向性こそ違うものの、いずれも将来どこかで名を残すであろう人物ばかりです。
 ダージリンはその中にあっても特異な存在で、本人が最前線に立って引っ張り続けるのではなく、周囲の人物を上手に使いながら陰に日向に少しずつ影響を与えていき、いつの間にか全体を彼女の思い通りに進めている、そういう人物になりそうなんですよね。
 エキシビジョンマッチでも対大学選抜戦でも、彼女の物事の進め方や指示の出し方は独特で面白い。ある種の美学に貫かれたその手腕は、戦車道においてももちろん素晴らしいですが、むしろ彼女が大人になって何かを為す時に、どのように発揮されるのか、そこにとても興味があります。

27. 左衛門佐:大洗女子学園カバさんチーム(江口又新堂)


 江口又新堂さんには左衛門佐が。新パネルになってます。



 前のはやや睨んでいる感じの表情でしたが、新パネルでは笑顔になりました。勝ち鬨をあげているところ?



 店内にはみぽりん。書店さんですが、本以外のものが(ガルパン以外のものも)いろいろ置いてあるお店です。この日は商店街のイベントもあったためか、けっこう賑わってました。



 劇場版での一コマ、旧校舎の生活の時に、エルヴィンを戦略ボードゲーム(?)で圧倒しているシーンがありましたが、左衛門佐はああいうゲーム得意なんですかね。砲手なので、頭を使ったプレイを試合中に見せることはありませんが、車長をやらせてみたら意外にエルヴィンより面白い戦い方するかもしれませんね。歴女の面々はOVAでのカエサルのように、変わった知識やスキルを持っていたりと、なかなか謎めいたメンバーが集まっているので、左衛門佐も未だ見せていない何かの一面があるのかも。
 そういえばゲームというと、カバさんチームは決戦前の夜に、テレビゲームで対策を立てていたのが印象的でした。ボードゲームといい、あの手の戦略シミュレーションが好きなんですかね。「信長の野望」とか「三国志」とか、ものすごくやりこんでそうです。特に信長の野望。

28. 宇津木優季:大洗女子学園ウサギさんチーム(黒沢米穀店)


 黒澤米穀店では宇津木優季が待っています。こちらは新パネルに刷新。お澄ましした表情から、ほんわか柔らかい表情に変わりました。



 こちらのお店で何か買ったはずなんです。しかし、何を買ったのか全く思い出せません。持ち帰ってないということは、おそらくその場で食べてしまったんだと思いますが、いったい何を買ったんだ私。揚げ餅とか、せんべいとか、そういう手軽に食べられるものだと思うんですが……。なぜ写真すら撮っていないのか自分でもわからない。でも絶対に何か買ったんです。買ったという事実だけを覚えている。不思議な体験です。



 ちなみに、その時におまけでもらったのが上のカード。ワンポイントの華さんがいい味出してます。たしか店内ポスターにも同じ絵柄のが貼ってあったような。



 優季ちゃんは劇場版でもずっと変わらない優季ちゃんでしたね(笑)。その場にいるだけで場が和む、圧倒的ほんわか感。「くやしかったら撃ってみろ〜」の響きは、思わずヘナヘナしてしまう破壊力。その後の展開がアレなのでもうね。
  でも、そういういつもの優季ちゃんっぽいのも良いですが、劇中で最も印象に残ったのは、旧校舎に届けられた戦車を目にした時の台詞。「戦車を見ると安心する……」は、字面だけ見るとかなり危ないですが、あのシチュエーションではこの上なくグッとくる響きでした。
 必修科目のオリエンテーション前は「戦車は無理かな〜」なんて言っていた(一番くじドラマCDより)。練習試合の時には、砲撃を怖がって逃げ出したりもした。それがいつの間にか、心細い思いを安心させてくれる存在にまでなっていた。
 TV版から劇場版に至る時間の中、積み上げられた経験と思い出が、彼女たちにとってどれだけ大きなものであるか、あの台詞に凝縮されている。
 ふわふわおっとりで、公式からアホの子認定されている彼女ですが、裏表のない素直な性格は、ときおり観客の心にすっと染み入る言葉を紡ぎだす。上記の台詞は、まさに彼女ならではのものだったと思います。


 今回はここまで、続きはまた次回に。

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