Dynamite!


新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。



格式ばった言い方になってしまいましたが、「あけおめ~」とか「ことよろ~」とか、何となく嫌いなんですよね…。ううっ、時代に迎合できない…。



まぁともかく、今年も一年お付き合いくださいです。



さて、新年早々趣味に突っ走った話題ですが、大晦日のK-1 Premium Dynamite!はある意味話題満載の興行でしたね。

葉鍵板の「1月1日に1000に達するスレ」では、話の流れをぶった切りながら実況板さながらに叫んだりして大変迷惑をかけてしまいましたが(笑、それはそれとして。



まずは須藤元気の引退宣言ですか。おいおいいきなりだなと。…何となくそんなこと言い出すんじゃないかなーとは思ってましたけど、いざホントに言われるといきなりな感じがしますね。だって、7月のサイン会では、来場者の多くの人から「HERO'Sでの優勝目指してがんばってください!」って言われて「がんばります!」って答えてたじゃん。もう…。

まぁ、器用な人ですから、どこでもちゃんとやっていけるとは思いますけどね。でも、どうせなら限界までやってほしかったなぁ。せめて30歳くらいまでは…。



お次は曙さんですか。ジャイアント・シルバに負けているようではなぁ。そもそも曙さんの体格では、グラップリングは無理じゃないですかね。かといってストライクで行けるかっつーとスタミナの問題があるし…。やっぱり痩せな勝てませんて。

… と思っていたら、休養宣言来ましたね。この間にダイエットでしょうか。次に見る時に激ヤセしてたら尊敬します。理想は琴欧州の体格ですが…。どうかな。っつーか、琴欧州は相撲より総合格闘技かキックボクシングやらせた方が絶対良いですて。チャンピオンも夢じゃないと思うけどなぁ。



続いては金子賢さん。…まぁ、アマ修斗とかから地道にやればその内…。とりあえず所英男を見習って、風呂なしアパートから始めてみてはどうでしょう。

マジメに試合を分析しますと、力負けと、引き出しの乏しさですね。ガードポジションはいうに及ばず、ハーフガード、マウントポジションまで奪いながら、結局アンディの抱きつきから逃れられない地力のなさ。加えて、抱きつかれている状態でのアンディに対する攻めがペチペチと脇腹叩いてるだけではどうしようもないです。肘の寸打とかギロチンチョークとか、相手の口をふさぐのも効果的なんですが、そういうのが全くない。練習でやってると思うんですが、結局試合で出せないのは、身についてないということです。無意識状態でも技が出るようでなければ、武を習得したとはいえません。プロではない一般人だって、例えば私なんかでも、柔法の足運びなど信号の待ち時間にも練習してましたもん。左前、右前、右軸で左を後ろに四分の一回転、右軸で左を前に四分の一回転、左軸で右を後ろに四分の一回転、左軸で右を前に四分の一回転…ってな具合に。周りの人に奇異な目で見られながらね。そうやって身体にしみこませていくんですが、はたして金子賢がそこまでやっていたか、あの試合では少々疑問です。

「がんばっている」だけなら誰だってやっている。そこから一歩抜け出したところに到達できないのなら、プロとしては生きていけないでしょう。

逆にアンディ・オロゴンは冷静に戦えてましたね。グラップリングの技術はさして無いのですが、キックボクシングは良いセンスです。総合なんてやらせるべきではありません。キックに専念させるべきです。きっともっと強くなるでしょう。今からではチャンピオンは無理かもしれませんが、中堅クラスの選手としてがんばれるんじゃないですかね。ジャダンバ・ナラントンガラグ辺りと良い試合しそうです。



次は武蔵さんですが…。KOは良いんですが、なんで 3Rまでかかったのか。相手は砲丸投げの選手ですよ。キックはおろか、レスリングとか柔道とか、そういうのでもない、丸っきりの格闘技素人ですよ。ボブ・サップのようにスゲー体格してるわけでもないですよ。1Rで仕留めなきゃだめです。ある意味彼の限界が見えた試合でした。…2006年はいずれも彼の限界が見えた試合ばかりだったような気もしますけど。



次にチェ・ホンマンとボビー・オロゴンの一戦。まぁ、当然の結末でしょう。開始のゴングがなる前にホンマンの勝ちにしても良かった気がします。ジャイアント・シルバなら勝てたかもしれませんが、ホンマンでは相手が悪すぎます。ついこないだまでシルムの天下壮士だった相手をテイクダウンできるとも思えませんし。現在のヘビー級で、総合ルールでホンマンに勝てるのは、HERO'Sではセーム・シュルトかアントニオ・シウバくらいなもんでしょう。PRIDEならエメリヤーエンコ・ヒョードル、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、ジョシュ・バーネット、セルゲイ・ハリトーノフといった、テイクダウン能力のある面々でしょうか。あと、UFCに移籍が決まったミルコ・クロコップかな。

なんにせよ、ボビーでは無理でしょう。何となく勝ってるイメージはありますけど、総合ルールで戦ったのってシリル・アビディと曙ですよ。この二人相手なら、総合ルールならそりゃ勝てますでしょう。曙はもちろん、アビディにしたって彼は生粋のキックボクサーであって、バーリ・トゥード・ファイターではないんだから。

ちゃんとした試金石となる試合を組んであげないと、この先ボビーの使い方が見えなくなるし、ボビー自身も苦しいでしょう。手始めにドン・フライかゲーリー・グッドリッジと組ませてみては。それで勝てれば今後もいけるだろうし、勝てなければいっそ体重を85キロまで落として(15キロ近くの減量になりますが…)ライトヘビー級に参戦しても良い。とにかく現状ではどこまで強いのか全然わかりません。



さて、最後に取り上げたいのは…、先述のスレで「何だこの試合は」という意味の判らない1行レスで迷惑をおかけしました一戦、秋山成勲vs桜庭和志。

すでにネット上では、この試合についての激論が交わされています。とにかく根本にあるのは「秋山が身体に油(ワセリンなど)を縫っていたのではないか?」という疑惑。桜庭のアピールから勃発した疑惑ですが、まずいことに秋山の柔道家時代にも同じ疑惑をかけられていたものだから、話が大きくなってしまった。また、試合中に様々な不可解な出来事が起こっていたのも、疑惑に信憑性を持たせています。

とりあえず問題を整理すると、以下のようになります。



1.試合中の秋山側セコンドの指示「滑らせろ!」

2.試合中の桜庭の「タイム!」のアピールを審判が無視

3.解説の船木氏のコメント「チェックした方がいいかも知れないですね」

4.パウンド中にレフェリーがリング外を見ている

5.桜庭が危険な状態に陥っているがレフェリーのストップがかからない

6.試合後の桜庭のアピール「滑る!」

7.アピールを受けてレフェリーが秋山の身体を確認するが、背中だけしか確認していない



一つ一つ検証していきましょう。

まず、1ですが、さすがに組んでもいない状態で、そういう意味で「滑らせろ」の指示は出ないでしょう。おそらく擦り足のことを言っているんじゃないかと思います。マット上を滑らせるように足運びをしろといったところでしょう。相手はタックルを狙っているのは明白ですから、その指示は正しい。まぁ、柔道家に対して擦り足をアドバイスするというのも変な話ですけどね。



次に2。これは確かにレフェリーのミスです。

ルールには選手のタイムを認めるという記述はないので、レフェリーがそれを取らなくても確かにルール上は問題ないのですが、しかし、安全面に配慮すれば取らないとまずい。例えばサミングで目が見えない状態に陥っている可能性もありますし、もっとよくある話としては、グローブが緩んでいる場合や、トランクスのゴムが切れたということも考えられます。いずれにせよ、そのまま試合を続行するのは危険ですから、レフェリーは選手のアピールは不可解な状況でない限りは取らないといけません。

問題なのは故意か事故かの判断ですが…。ビデオを確認する限り、レフェリーはちゃんと両選手に目がいっている…ように見えます。後姿なので確たることはわかりませんが、頭の方向は正しい方を向いてますから。ただ、やはり故意かどうかはグレーです。どっちにしろ責められて然るべきアクシデントではありますけど。



続いて3。これは秋山の身体をチェックしろではなく、サミングをチェックしろという意味でしょう。この直前に、宇野薫がサミングを疑う発言をしてましたから。



お次は4ですが、これもビデオを確認すると本当にリング外を見ている場面がある。最初はリングに群がる報道陣を牽制しているのかと思いましたが、どうもそのようではない。ちょっと何を見ているのか判らない感じです。選手が危険な状態に陥っているのに何をやっているのでしょうか。これでは前々から言われている「HERO'Sは主催者側の指示がレフェリーやジャッジに出されている」という中傷を裏付ける形になるだけです。ちょっと擁護しようがないですね…。



続いての5についても明らかにレフェリーの失態です。この時桜庭は秋山の身体が滑ると言うことに抗議しているわけですが、例えばその声が「まだやれるよ!」と聞こえたのだとしても、この状態で続けさせるのは選手を見殺しにしているのだと言われても仕方ない。すでに顔面は腫れ上がっていて、腕に力もこもっていないし、三角締めを狙おうにもロープが邪魔で足を思うように使えない状態になっている。どこをどう見てもあの状態の桜庭に逆転の目はなく、放っておけば選手生命はおろかリアルに生命の危険すらあったでしょう。この一件だけをとっても、当該レフェリーの資格を剥奪すべき失態であり、いかなる言い訳も通用しないと断言できます。ましてや、前述の通りのミスもあるわけですから。とんでもないレフェリーもいたものです。



そして6ですが…。これはもう真相は闇としか言いようがないですが、ビデオを確認すると、抱え込んだ足が妙にスルリと抜けているような感じは受けます。角度が悪い部分があるので確証はもてませんが、ちょっと不可解な動きであるという印象はある。ただ、所詮は印象でしかなく、確たることは何もない。これについては本当にどうしようもないですね。当事者や主催者が動くしかない。どう動くか、少し楽しみです。



7については…。桜庭がどこが滑るかを言ってないのでアレですが、チェックが軽い気は確かにします。まぁ、これについてはチェック方法の確立云々の話ですからねぇ…。どうにも。



さて、興行全体の総括としては…。最後の疑惑があったからというわけではないですが、全体的にあまり良い興行ではなかったですね。

一番の問題はカードに面白みがないことです。9割以上のカードの勝敗が予想できてしまう興行のどこに期待しろというんでしょう。曙vsジャイアント・シルバとか見たい人いるんですかね。魔裟斗vs鈴木悟(あるいはチェ・ヨンス)に勝負論を求める人がいるんですかね。チェ・ホンマンとボビー・オロゴンの試合結果を予想できなかった人がいるんですかね。

こんなカード組んでたんじゃダメです。お茶の間の視聴率だって期待できないです。

魔裟斗vs山本"KID"徳郁の一戦がなぜあれほど視聴者の心を掴んだか、主催者はもう一度考え直すべきでしょう。



とにかく反省点ばかりの目立った興行でした。次回は改善されていることを願うばかりです。


2007年1月2日




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